100歳を超えてもひとり暮らしする哲代さん 103歳の冬を前に施設に入所 一時帰宅で仲間と餅 そして この春…どうなる⁉ 広島・尾道

広島・尾道市の 石井哲代 さんは、100歳を超えてもひとり暮らしを続けています。2023年、102歳で初めて出した本が大好評で、2024年3月、2冊目が出版されました。

16日、この本を出した中国新聞の記者との講演会が、広島市内で開催されました。参加者約70人が大笑いしたり、哲代さんの弾く大正琴でみんなで歌ったりとたいへん盛り上がっていました。

すごくお元気そう…とはいえ、103歳というご高齢です。実は、2023年秋から施設に入所されることになりました。この冬の近況です。

ひとり暮らしの哲代さん 103歳の冬を前に施設へ…

100歳を超えても尾道市でひとり暮らしを続ける石井哲代さん。20年ほど前に他界した夫・良英さんとの間に子どもはいませんでした。元気いっぱいの103歳ですが、最近は、足を痛めるなど、入院する頻度が増えてきました。

さらに、去年11月、介護老人保健施設に入ることになりました。

ことし1月。2か月ぶりに地域の集まり「仲よしクラブ」に参加するため、一時帰宅することに。

帰宅後、まずは仏壇の夫に話しかけます。

手を合わせる 石井哲代 さん
「失礼ばっかりして申し訳ありません。お父さん、すみませんの。ご無沙汰ばっかり。留守ばっかり。すみません」

その後、仲間の待つ集会所へ…。

”仲よしクラブ” のメンバー
「先生、おはようございます」

石井哲代 さん
「みんな大きいなっとるじゃん」

施設では面会できなかったので、みんなは、哲代さんに会えるのを心待ちにしていました。

”仲よしクラブ” のメンバー
「先生、元気になっちゃったけ、えかったわ」
「みんな、待ちよるんよ」
「先生、向こうで話ができる? 施設の人と」

石井哲代 さん
「スタッフさんがようしてくれてじゃけ。なんで、あっこに行き着いてしもうたんかの」

お正月過ぎて久しぶりの仲間との集い 楽しみなのは…?

”仲よしクラブ” のメンバー
「こうして遊ばれるけぇね。一人になっとってもしょうがないんじゃけ」
「餅食べたらおいしいよ、みんなでね」

石井哲代 さん
「100歳の餅食い」

”仲よしクラブ” のメンバー
「先生、ゆっくり食べてよ」
「餅、先生に食べさして、のど詰めさせたら大事じゃけ」

石井哲代 さん
「この人ら(取材陣)がニュースすぐ出してくれるけ」

山本ディレクター
「いや、ちょっとそのニュースは…」

”仲よしクラブ” のメンバー
「先生、ボチボチ食べてよ。ちびりちびり」

石井哲代 さん
「おいしいお餅でございます」
「はよう戻らんにゃいけんの」

”仲よしクラブ” のメンバー
「はよう帰ってきてくださいね。待ってます」
「仲よしクラブが(他界や施設入所などで)人数が少なくなったから、先生がおってなかったら余計さみしい」

石井哲代 さん
「泊まりに行っとるだけよ」

車を見送りながら ”仲よしクラブ” のメンバー
「気をつけてね」
「食欲があるからいいよ」

哲代さんは、この後すぐにラーメンも!

そして3月、無事に施設での “冬ごもり” を終えました。

施設を出ながら 石井哲代 さん
「ありがとう。また早う、来ます」

迎えに来た めい 直江さん
「何を言っていますか、また泣いて」

石井哲代 さん
「いけん…。ありがとうございました」

103歳春…、ひとり暮らし再開!

お茶を飲みながら 石井哲代 さん
「おいしい。こういう熱いお茶飲まんもん。病院(施設)では」

介護老人保健施設(老健)は、基本的に退院後などの不調時に一時的に入所して、リハビリしたり鋭気を養ったりして自分の生活に戻る準備を整えるための施設です。今回、哲代さんもみごと調子を整えて、ひとり暮らしを再開させることができました。

ただ、どこに行っても人と関わることが上手な哲代さん。しばらくは施設の方々と会えなくなったのがさみしいと「施設シック(?)」状態だったみたいです。

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