回転窓/幸せと戦争の追憶

夏のような汗ばむ陽気となった14日の日曜日。この春に入学した近所の中学生らが所属するサッカーチームの試合を観戦するため、南関東の海辺の街を訪れた▼小学生時代の8人制に慣れた選手たちは、大人と同じ広さのピッチと11人制に戸惑った様子。いつもと違う環境に苦労しつつも、はつらつとプレーする姿がほほ笑ましかった▼海からの心地よい潮風に乗って桜の花びらがピッチに舞い込む。子どもと大人たちの楽しげな声が響き渡る観客席にいると、平和の大切さを改めて感じた▼中東では同日、大使館攻撃への報復としてイランがイスラエルへの武力行為に踏み切った。遠く離れた日本でも日常生活への影響が懸念される。対応を協議した岸田文雄首相ら先進7カ国(G7)の首脳は、これ以上の攻撃を行わず、反撃も思いとどまるよう求める内容の声明を出すことに。戦禍の拡大を防ぐ国際社会の行動力が問われよう▼いつの時代も大人が起こした戦争で傷つくのは子どもたち。祖母が幼い頃に聞かせてくれた太平洋戦争での悲惨な出来事を繰り返してはなるまい。身近な幸せのありがたみと合わせ伝えていきたい。

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