知ってる?しいたけは、干す向きによって栄養が格段にアップする!

買ってきた食材に含まれる栄養を、さらに増やすことができるなら、ヘルシーでお得ですね。しいたけも干ししいたけも、含まれるビタミンDを格段にアップさせる方法があるんです!

★とうもろこしの栄養を捨てない!★

しいたけのエルゴステリンがビタミンDに変化する

しいたけには、エルゴステリンという成分がたっぷり。この成分は、日に当たるとビタミンDに変化するという特性をもっています。ビタミンDは、カルシウムが骨に定着するのを助けるのに働いてくれる成分。ビタミンDが不足していると、せっかくカルシウムを摂取しても使われないまま排出されてしまうのです。しいたけはそのまま食べずに、日光に当ててビタミンDをアップさせましょう。

やり方は、使う前に30分から1時間日に当てるだけと、とても簡単。エルゴステリンはかさの裏側に多く含まれているので、裏を向けて干すと効率よくビタミンDがつくられます。しいたけを干せば、食物繊維やビタミンB1量も増えるので断然お得です。

【DATA】
旬:春〜秋
保存期間:2〜3日(冷蔵庫)
主な栄養素:1個(正味11g)食物繊維0.5g、ビタミンD 0.04μg、ビタミンB2 0.02mg(生)

【注目成分】
・エルゴステリン
紫外線に当たるとビタミンDに変化。カルシウムの吸収を高め、カルシウムを定着させる働きがある。

・β-グルカン
免疫システムが正常に働くようコントロール。がんや感染症、アレルギーの予防に役立つ。

・エリタデニン
血中のコレステロール量をコントロール。悪玉コレステロールを排出し、動脈硬化を予防する。

【選び方】
肉厚でかさの開きが8割程度のもの。軸は短く、かさの裏側のひだがきれいで白いもの。

【保存法】
ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。干ししいたけは乾燥剤を入れた密閉容器に入れ、冷蔵庫へ。

POINT
しいたけは干すことで、うまみ成分のグアニル酸が生成されます。グアニル酸が溶けているもどし汁は最高のだし。調理に活用しましょう。

しいたけを干すとさまざまな栄養素が爆発的に増える

生しいたけと干ししいたけを比べたとき、増えるのはビタミンDだけではありません。ビタミンB類のほか、食物繊維は10倍近くアップします。

干すときはかさを下にする

かさを裏返して干したほうがいい理由は、裏側にエルゴステリンが多いからだけではありません。かさの裏には胞子もついています。これを下向きにすると胞子が飛び散り、胞子が付着した部分がすぐに黒ずんで傷んでしまうのです。生しいたけを冷蔵庫で保存するときも、かさを下、軸を上向きにしまいましょう。

干ししいたけも日に当てる

市販の干ししいたけのなかには、熱風乾燥させただけのものもあります。干ししいたけも同様に、天日に干すことでビタミンDがアップします。

※この記事は『調理 保存 食べ方で 栄養を捨てない食材のトリセツ』落合敏監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
栄養学博士・管理栄養士 落合 敏

おちあい•とし●千葉県立衛生短期大学教授、茨城キリスト教大学食物健康科学科教授、天使大学大学院非常勤講師などを務める。食べ物の栄養効果についてのわかりやすい解説が人気。『食べるクスリ 甘酒ヨーグルト』(主婦の友社)ほか著書、監修書、多数。

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