ドローンでタンク点検 日立LNG基地 東京ガス 茨城

ドローンを使ったLNGタンクの点検作業=日立市留町

東京ガス(東京)は16日、茨城県日立市留町の同社日立LNG(液化天然ガス)基地で、ドローンを使った地上タンクの巡視点検作業を報道陣に公開した。同社によると、作業時間は目視に頼っていた従来の90分から30分に短縮され、作業員の安全確保や点検の精度向上につながるという。経済産業省が推進する「スマート保安」の一環で、ガス業界では同基地が初めて。

使用するドローンは幅23センチ、奥行き28センチ、高さ13センチ、重さは800グラム。米国製で高画質映像が撮影可能。雨天、強風時は使用せず、落下しても機体に影響のないルートを設定して飛行し、通信が途絶えた場合は自動で帰還する仕組み。

点検作業では、同基地の社員1人がタブレット端末でドローンを操作。高さ約60メートルに及ぶLNGタンク2基とLPG(液化石油ガス)タンク1基それぞれの上部や側面を撮影し、機体回収後には撮影画像を通してタンク外側のひび割れや漏えいの有無を確認した。

同社によると、作業員はドローン導入前、タンク頂上付近まで階段を上り下りしていた。また、猛暑日などに健康トラブルが生じる可能性もあった。現在は週に6日、ドローンでの点検を実施しているという。

同社は国内の他基地でも、海上設備の点検にドローンを使った実証実験を進めており、今後は日立LNG基地でも検討する。

担当者は「ドローンによる代替は安全面やコスト面の課題をクリアできる。実証実験で他の活用法を探したい」と話した。

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