全生連・斎藤会長/さらなる価格転嫁が必要に、骨材の安定供給にも危機感

セメント・生コンクリート業界が国内需要の低迷やコストアップへの影響に危機感を募らせている。全国生コンクリート工業組合・協同組合連合会(全生連)の斎藤昇一会長は需要が落ち込む中、原材料価格や輸送コストなどが上昇しており、将来的にさらなる価格転嫁が必要になるとの見方を示す。骨材の安定供給も課題に挙げる。
セメント卸協同組合連合会(渡辺聡会長)と全国生コンクリート卸協同組合連合会(山下豊会長)が15日に東京都内で開いた合同懇親会で斎藤会長があいさつし、窮状を訴えた。
斎藤会長は「本年度は(建設業に時間外労働の上限規制を適用する)2024年問題もあり、どのくらい数字が落ちるのか危惧している」と述べるとともに、輸送費や賃金などの上昇を見据えて「コストアップが想定される」と強調。「『数量も落ちる。価格は現状維持。コストは上がる』ではやっていけない。あるところで価格転嫁は必要になると思う」との見方を示した。「一番気にするのは骨材の安定供給だ。値上げを飲んでも骨材が安定的に供給されないという心配の声が上がっている」とも指摘した。
セメント協会(不死原正文会長)の吉良尚之流通委員長は、「セメントの(23年度の)国内販売量が3500万トンを切って、3465万トン程度で落ち着くところとなった。歴史的な数量減に見舞われている。実際にどこで出なくなっているのか。ここ2年間でどう変わっていったのかを、一から調べ直そうと思っている」と話した。

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