【広島】床田寛樹 ツーシーム〝投げ分け〟の極意「例えばマツダと、甲子園の軌道は違います」

チームの連敗を止めてみせた広島・床田寛樹

宝刀で相手を制圧した。広島は16日のDeNA戦(マツダ)に11―2で圧勝。先発・床田寛樹投手(29)が7回2失点で今季初勝利を飾った。前回まで2度の先発も全てハイクオリティスタート(7回自責点2以内)としながら白星に恵まれなかっただけに、本拠地のお立ち台で「ちょっとホッとしています」と相好を崩した。

そんな左腕の代名詞は、相手チームの多くの打者が「変化と速さが一定じゃない」と警戒するツーシーム。真相を問うと床田は「確かに違います」と述べ、状況に応じて使い分けていることを明かす。

操っているツーシームは、まず130キロ台後半で落ちる軌道。そして、もう1つは140キロを越えるシュート軌道だ。この2つの軌道と球速帯によって、対峙する打者を幻惑させている。床田によれば、当日のコンディションに加え「例えば(本拠地の)マツダの軌道と(阪神の本拠地である)甲子園の軌道は違います」とのこと。マウンドの影響を受けやすく、同じ強度で投げても硬さと高低で球速帯や変化軌道も異なってくるという。

これだけならツーシームの軌道と強度は、当日の「運まかせ」とも言える。加えて床田が類まれなところは、試合中にどちらのタイプにも軌道修正することができることだ。「僕的には毎回、変化が違うほうがバッターも悩むかと。(事前の)情報をもとに『ツーシームは横に変化するって聞いて打席に入って落ちるやん』みたいな感じになるといい」と言い切る。

そして「投球フォームで言えば、上から『投げ下ろす』イメージで(横変化させて)腕を振るのか、やや下目から軽く振り抜くイメージで(縦変化を)狙うのか。その力加減で球速も軌道も調整できますね」とも補足。体の使い方にコツがあり、それを変幻自在に投げ分けている。

今季も〝必殺球〟を武器に、昨季の11を越える白星量産を目指していく。

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