高級ブランド「間人ガニ」で産地偽装、タグ付けの越前がには大丈夫? 福井県は発祥の地、漁業者「未使用品の横流し、仕組み的に不可能」

水揚げされた越前がにに黄色のタグをつけることで産地偽装を防いでいる=2023年11月8日、福井県坂井市三国町の三国漁港周辺

 4月4日、兵庫県産のズワイガニを京都府京丹後市産の高級ブランド「間人(たいざ)ガニ」と偽って販売した容疑で、同市の水産物販売会社役員らが逮捕された。カニに付ける未使用タグを不正入手し付けたとみられるが、産地偽装はブランドの信頼性を地に落としかねない。ブランドタグ発祥の地である福井県の「越前がに」は大丈夫なのか-。関係者に聞いた。

 越前がにのタグ取り付けは、産地の差別化と偽装防止などを目的として1997年に越前町で始まり、全県へ広がった。2018年には全国のブランドガニの中で唯一、地域の農林水産物や食品のブランドを守る「地理的表示(GI)保護制度」に登録された。

 実は、このGI登録が偽装防止に大きく役立っているという。越前がには外部チェックを受ける厳重な管理が行われ、関係者は「県内での偽装は考えられない」と強調する。

 産地管理を徹底するため漁業者の自主管理だけでなく、農林水産省によるチェックも受ける。監視の目が複数にわたることで、産地の信頼性を保っている。県内漁業者は「未使用タグの横流しは仕組み的に不可能」と口をそろえる。

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