【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#60
敬語の基本編(2)
前回は、敬語の5つの種類について簡単に説明しました。
今回からは、それぞれの敬語を詳しく見ていきましょう。
■尊敬語 → 主語は相手
尊敬語は、目上の人(立てるべき相手)のことを敬って言い表すときに使う言葉です。
相手の行動を高めて表現することによって、敬意を表します。
尊敬語への言い換えには、次の3つの型があります。
①言葉そのものを言い換える
●お客さまが来た→お客さまがいらっしゃいました
●先生が言った→先生がおっしゃいました
●社長が見た→社長がご覧になりました
②言葉の前後に「お~になる」「ご~になる」をつける
●お客さまが話した→お客さまがお話しになりました
●先生が参加する→先生がご参加になります
●お客さまが待っている→お客さまがお待ちになっています
③語尾に「れる」「られる」をつける
●社長が話した→社長が話されました
●お客さまが資料を受け取った→お客さまが資料を受け取られました
●先生が荷物を持った→先生が荷物を持たれました
■謙譲語 → 主語は自分
謙譲語は、目上の人(立てるべき相手)に対して、自分のことをへりくだって表現することによって、相手を高める言葉です。
謙譲語への言い換えには、2つの型があります。
①言葉そのものを言い換える
●明日、お客さまに会う→明日、お客さまにお目にかかります
●院長のご自宅に行く→院長のご自宅に伺います
●担当の者が来る→担当の者が参ります
②言葉の前後に「お~する(いたす)」「ご~する(いたす)」をつける
●荷物は私が持ちます→荷物は私がお持ちします
●お客さまに商品を届ける→お客さまに商品をお届けいたします
●先生を応接室に案内する→先生を応接室にご案内いたします
※前回もお伝えしたように、2007年の文化審議会答申「敬語の指針」により、「謙譲語」が「謙譲語Ⅰ」「謙譲語Ⅱ」の2つに分かれました。ここではわかりやすいように、この2つを合わせて「謙譲語」として説明しています。
■名詞の尊敬語と謙譲語
名詞を敬語にする場合も、尊敬語と謙譲語では<表>のように表現が変わります。
覚えておくと、いざというときに役立ちます。
(金森たかこ/マナー講師)