「利回り1%~5%」の結果を一覧で公開
2024年1月から「新NISA」がスタートし、その認知度は徐々に高まりつつあります。
新NISAは以前までのNISA制度よりも、より長期投資に向いている制度となり、2024年2月26日に公表された株式会社バイアンドホールドの「新NISA利用の実態調査」の調査データでは、新NISA口座を開設している人の割合は約6割となっています。
将来に向けた資産形成として注目されている新NISAですが、「実際にどのくらい利益が出るのかわからない」と、まだ始められていない人もいるかもしれません。
今回は、老後を意識し始める50歳から新NISAで「毎月5万円」の積立投資をしたら、15年後の65歳で資産がいくら増えるのかを運用利回り別にシミュレーションします。
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新NISA(ニーサ)制度をおさらい
NISA(個人投資非課税制度)は、投資で得た利益に対して税金がかからない制度です。
従来、株式や投資信託などへの投資には利益や配当に税金がかかりましたが、NISAを利用することで非課税となり、投資家にとってメリットの大きい制度となっています。
また、2024年からは「新NISA」が導入され、年間投資額が増額&保有期間も無期限となりました。
【新しいNISAのポイント5選】
- 非課税保有期間:無期限化
- 口座開設期間: 恒久化
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」:併用可能
- 年間投資枠: 成長投資枠「年間240万円」・つみたて投資枠「年間120万円」
- 非課税保有限度額:全体で1800万円(成長投資枠:1200万円※枠の再利用可能)
新NISA制度では以前の制限が緩和され、老後のための長期的な資産運用がより容易になりました。
この制度を活用して、「50歳から毎月5万円の積立投資を行った場合、65歳までにどれくらいの資産を築くことができるのか」をシミュレーションしてみましょう。
【積立投資】50歳から65歳までの15年間「毎月5万円」の積立をしたらいくら増える?
50歳から新NISAで毎月5万円の積立投資をしたら、老後を迎える15年後にはいくらの資産を築けるのでしょうか。
運用利回り別にみた、毎月5万円の積立投資で15年後に築ける資産額は以下のとおりです。
【運用利回り別】月5万円の積立投資を続けた場合の15年後の資産評価額
運用利回り:資産評価額(元本部分は900万円)
- 年率1%:970万6000円
- 年率2%:1048万6000円
- 年率3%:1134万9000円
- 年率4%:1230万5000円
- 年率5%:1336万4000円
年率2%以上で運用できれば、65歳には1000万円を超える結果となりました。
元本は900万円であることを考えると、新NISAでの投資は資産形成に大きな効果をもたらすことが分かります。
注意しておきたいのは、新NISAでの運用は元本割れのリスクがあり、運用利回りが事前に確定するものではないということ。
ただし年率2%での運用というと、比較的安定した運用であることから、投資初心者の方でも目指しやすい目標といえるでしょう。
【積立投資】50歳から15年間で「2000万円」を目指すには毎月いくら積み立てる?
老後に向けて「2000万円」という目標を立てている方もいるでしょう。
では、2000万円を用意するには毎月いくらの積立が必要なのでしょうか。
年率3%での運用を前提にして、積立金額別に15年後の資産評価額をシミュレーションしてみました。
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
【積立金額別】運用利回り3%で積立投資を続けた場合の15年後の資産評価額
毎月の積立金額:資産評価額
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
*運用利回りは年率3%を前提とする
老後のために2000万円を15年間で用意するためには、毎月9万円の積立が必要という結果になりました。
月9万円というと高額に感じるかもしれませんが、50歳代は収入がピークを迎える世代でもあり、子育てが落ち着いてくる年代でもあります。
50歳代のうちから老後資金を準備したい人は、家計の見直しを行ったり、定期預金に預けっぱなしになっている資金などを活用して、積立費用を捻出してみるもの良いかもしれませんね。
積立投資で老後に向けた資産形成を
新NISAを利用する際に、元本割れのリスクを懸念する方もいるでしょう。
資産運用には大きな利益の可能性がありますが、同時にリスクも存在します。
そのため、リスクを抑えるために推奨されるのが「積み立て投資」です。
積み立て投資は「ドルコスト平均法」といわれており、価格の変動する商品に一定額を定期的に投資し続けることで、購入価格を平均化する効果があります。
投資に対する不安を感じる方は、まずは小額から積み立て投資を始めてみることをおすすめします。新NISAを活用して、老後の資産形成に役立ててみてください。
参考資料
- 金融庁「NISAで資産形成!!」
- 金融庁「新しいNISA」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 株式会社バイアンドホールド「<調査>スタート1カ月での新NISA利用の実態調査 投資先トップ3は「投資信託(米国株)」、「投資信託(全世界株)」、「個別株(日本株)」」