いまや珍しい存在になった「職場の飲み会」。以前は「無礼講」などといって、普段、上司に言えないこと、聞けないことぶっちゃける、ということもありました。たとえば「会社の給与事情」。お酒の力を借りて、気になることを聞いてみたら……みていきましょう。
若手だけじゃない!飲みニケーションを不必要が6割
新卒社員が入社して2週間あまりがたち、そろそろ既存社員も混じって飲み会を……そんな雰囲気が漂う会社もあるのではないでしょうか。ただ最近の若者は飲み会を敬遠するとも言われているし、もはや飲みニケーションは時代錯誤とも言われるし、誘うか誘わないでおくか、悩みどころ。
株式会社ネクストレベルが20歳以上の社会人に対して行った『「飲みニケーション」についてどう思うか』のアンケート調査によると、まず、仕事上の飲み会の頻度は、「年に1~2回」が最も多く30.1%。一方で「ほとんどない」が29.1%と、コロナ禍を機になくなった飲み会が、そのまま絶滅……という会社も多いようです。
また会社の飲み会があったとして、参加は必須かどうかを尋ねたところ、「参加・不参加は個人の自由」が58.4%と6割近くが個人の判断。一方で「必須ではないが断りにくい」が22.5%と、5人に1人の割合。さらに「ほぼ必須」9.7%、「必須」4.6%と、いまどき珍しい、強制参加、またはほぼそれに近いカタチで飲み会を開催する会社も。
そして「ズバリ、飲みニケーションが必要かどうか?」の問いには、「いらない」が64.5%と圧倒的。いまどき、飲み会を企画すること自体が悪なのか……と思ってしまうような結果です。
*「いらない」27.0%、「どちらかというといらない」37.5%の合計
ただこれは若い人だけの傾向ではありません。年代別に「飲みニケーションがいらない」の割合をみていくと、「20代」「30代」が64.9%、「40代」が66.0%、「50代以上」が60.0%と、年齢によっておおきな差は見られませんでした。
必要とする人のたちの意見として、最も多い理由が「チーム・部署の親睦が深まる」で60.3%。「上司との親睦が深まる」56.3%、「同期との親睦が深まる」41.7%、「部下との親睦が深まる」34.2%、「楽しい」23.4%と続きます。
一方で、不必要とする理由として最も多いのが「気を遣う」で61.8%。「勤務時間外」47.4%、「お金がかかる」40.7%、「そもそも大人数は苦手」33.8%、「つまらない・楽しめない」30.0%と続きます。
6割前後は職場での飲み会を嫌う傾向があり、しかもそれは全世代的な傾向であることが分かりました。一方で、4割前後は「飲みニケーションは必要」と回答。特に「親睦を深められる」という点で、飲み会は効果を発揮するようです。まだ会社に馴染んでいない新卒社員のためにも、無理のない範囲で企画するのはいいことかもしれません。
新卒時代、職場の飲み会での失言…上司に「給与、いくらもらってるんすか?」の答え
飲みニケーションの必要性が問われる昨今。「酒の席だ、今日は無礼講な」と始まる職場の飲み会が懐かしい……という人も多いのでは。
「新卒の頃に」と酒の失敗を綴る、42歳のサラリーマン。お酒の勢いで、失言をしてしまったことを振り返ります。その失言というのは、
――部長、ぶっちゃけ、いくらもらってるんすか?
将来、いくら給与をもらえるのかを知ることは、今後のキャリアを考えるうえでも重要。ただ、飲み会で聞くことではありませんでした。場が一瞬、凍ったことを、いまでも鮮明に覚えているといいます。しかし、そこはみなから慕われる部長。笑いながら「世の中の平均くらいだよ」と応えてくれたといいます。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(平均年齢43.6歳)の平均給与は、月収で36.3万円、年収で596.9万円。
●それが係長(平均年齢45.5歳)だと、月収38.2万円、年収で657.0万円。
●それが課長(平均年齢49.2歳)だと、月収50.0万円、年収で815.4万円
●それが部長(平均年齢52.9歳)だと、月収60.4万円、年収956.5万円。
平均値では部長でも大台に一歩及ばずといったところですが、十分希望がもてる数字です。しかし男性の会社はそうではないことが、社歴を重ねるごとにハッキリと分かってきました。そして「部長になっても給与は月40万円くらいらしい」ということがハッキリとしてきたといいます。
役職部長の月収の分布をみていくと、中央値は56.3万円。最頻値は「60万~70万円」で17.6%。そして部長職でありながら「月収40万円」を下回るのは全国の部長職の14.6%です。
そんなことが分かったのは、30歳の手前くらいだったと男性。このままキャリアを積んでいっても下位14%でしかないという現実に「思わず、転職サイトに登録してしまった」と振り返ります。
結局、転職することなく、新卒時に入社した会社でいまも働いているという男性。その選択が吉と出るか、それとも凶と出るか。近い将来、ハッキリするといいます。
[参考資料]