持続可能なイルカウオッチングに 7月から環境保護費を徴収 天草市五和町6事業者が団体設立

外国人観光客を乗せて出航するイルカウオッチングの船=12日、天草市

 天草市五和町でイルカウオッチングを運営する6事業者が、持続可能な観光などに取り組むための団体を設立した。12日には同町の道の駅「市イルカセンター」で記者会見を開き、7月1日から乗船料とは別に環境保護費500円(小学生以上)を徴収して、砂浜の清掃活動やパトロール船の運航費用に充てると発表した。

 事業者は天草海鮮蔵、イルカクラブ、ドルフィンクルーズ、マリンワールド、門口水産、丸健水産。3月下旬に「事業者チーム」を設立した。天草の海における「環境」「なりわい」「観光」を持続可能なものにするため、利用客の安全と漁師などの収益機会の確保、野生イルカが生息しやすい環境の確保を目指す。

 具体的には、ビーチクリーン活動のほか、水上バイクなどがイルカの自然な行動を妨げないよう、繁忙期にパトロール船を運航する。自主ルールも一部厳格化した。

 丸健水産の野﨑健社長は会見で「世界的にも海洋環境は危機的な状況となっている。野生イルカが生息できる持続可能な海にするため、実践的な取り組みを続けたい」と話した。

 12日はセンターで「イルカの海開き」もあり、関係者らがイルカウオッチングの安全運航を祈願した。周辺海域には約200頭のミナミハンドウイルカが生息しており、天草観光の目玉となっている。(福井一基)

持続可能な観光などに取り組むため団体を設立したイルカウオッチングの事業者。右は天草市の馬場昭治市長=12日、同市

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