1967年以降で初! 春の交通安全運動、期間中の埼玉「死者ゼロ」に 前年は2人 「今後も気を引き締めて」

埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 春の全国交通安全運動期間中(6~15日)に埼玉県内で発生した交通事故死者が0人だったことが16日、県警のまとめで分かった。前年同期比では2人減で、前年の運動期間中(5月11~20日)の死者は3人だった。県内で交通安全運動期間中に死者がいなかったのは、統計が残る1967年秋以降、春秋を通じて初という。全国では愛知が4人で最多。0人だったのは埼玉を含めた15府県だった。

 県警交通総務課によると、過去の春の交通安全運動期間中の死者は2008、19、21年の1人が最も少なかった。最多は1970、71、73年の23人だった。

 人身事故は前年同期比26件(5.9%)減の413件、負傷者は36人(6.9%)減の482人、物件事故は152件(3.5%)減の4190件だった。負傷者の年代別では40代が最多の87人で、65歳以上の高齢者(83人)を上回った。15歳以下は36人で前年に比べて10人増加した。状態別では、県警が重点項目の対象としていた自転車は106人、歩行者は69人で、いずれも前年から微増だった。

 同課は期間中の死者がいなかった点について、「キャンペーンなどを通じて安全意識が徐々に広まったからでは」分析した上で、18日までは県が交通死亡事故多発警報を発令していて、「気を緩めずに事故防止対策を継続、推進していきたい」としている。

 一方、死亡事故こそなかったものの、13日には川越市の市道で車にはねられた高校3年生の女子生徒が意識不明の重体となる事故も起きた。同課は、ドライバーに対し「天候が良くなり、ゴールデンウイーク(GW)には出かける機会も増える。気を引き締めて運転してほしい」と呼びかけている。

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