自民不在の衆院長崎3区補選 野党浮揚へ支持訴え 立民・山田氏と維新・井上氏  

候補者の街頭演説で気勢を上げる支持者ら=大村市内

 自民党の不戦敗により野党一騎打ちとなった衆院長崎3区補欠選挙が告示された16日、立候補者2人は自民派閥の政治資金パーティー問題を材料に政権批判を展開し、自身や党への支持を訴えた。自民候補不在の中、両野党勢力の県内での浮揚を懸けた選挙戦の幕が上がった。
 立憲民主党の山田勝彦候補(44)は、谷川弥一前衆院議員の事務所があった大村市東三城町の大村バスターミナル前からスタート。「全国が注目する選挙が始まった。真の政治改革を進めるには政権交代が必要だ」と強調。
 「政治は本来、立場の弱い人の力になるためにある」と主張し、年金の上乗せ給付や子ども予算倍増などの政策を列挙。「金権政治ではなくまっとうな政治へ、もう変えんば」と声を張り上げた。後援会や連合長崎、県内の野党関係者らとともにガンバロー三唱で気合を入れた。
 日本維新の会の井上翔一朗候補(40)は佐世保市のJR早岐駅東口での街頭演説で、2人の息子を育てる責任世代だと自己紹介。大阪では維新の知事が誕生し、教育無償化が実現したとして「政治が変われば社会が変わる。これこそ改革の実行力」と説いた。
 自民については「党内のしがらみで候補を立てられず、長崎の政治を放り投げた。そんな政党には任せられない」と指摘。維新は「正々堂々と責任を取る覚悟」があり、「長崎から日本中に、改革が進められるのはどの政党か訴えたい」と決意を述べた。

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