岩国高校記念館、秋にも改修着手 耐震性強化しバリアフリー化、ステージは大正期デザインに

岩国市が耐震補強などの改修を予定する岩国高校記念館

 山口県岩国市は、同市横山の吉香公園にある岩国高校記念館を改修する。築100年を超える記念館は、岩国城下町など一帯が選定されている国の重要文化的景観(重文景)の要素の一つでもある。今秋にも工事に着手し、耐震性を高める。2026年度の完了を目指す。

 記念館は木造平屋の383平方メートル。添え柱を鉄骨に換え、基礎や屋根を補強する。約150平方メートルの多目的室にあるステージは、大正期のデザインに改める。約40平方メートルの畳の集会室はフローリングにする。トイレは男女別に分け、入り口にスロープを付けてバリアフリーにする。

 記念館は1916年、岩国高の前身である旧制岩国中の校舎のそばに武道場として建設された。岩国高が現在地の同市川西へ移転し、武道場は68年に市へ移管された。現在は地元の自治会館として使われている。近くの国名勝・錦帯橋や岩国城下町を中心とした錦川下流域は2021年、国の重文景に県内で初めて選定された。

 市は総事業費を5億3千万円と見込む。うち2億6千万円は文化庁の補助金や国土交通省の交付金を充てる。市地域づくり推進課は「歴史のある建物を保存しながら、住民が使いやすい施設になるよう工事を進めたい」としている。

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