昆虫キャラの絵本が完成 特徴とらえたデザイン愛らしく 福島県田村市、図書館や学校に配布

完成した昆虫絵本

 昆虫を核に地域活性化を目指す福島県田村市は、キャラクター化した昆虫の絵本を作成した。自然の尊さや里山の重要性、昆虫の魅力について紹介する内容で、市内の学校などに配布する予定。

 キャラクターは、京都芸術大の学生がデザインした。愛らしい表情と、昆虫それぞれの特徴を捉えた姿になっている。絵本でキャラクターが語る内容は、1月に市役所で開いた仮想現実空間での「昆虫サミット」で出た意見を基にまとめた。サミットでは白石高司市長や東大名誉教授の養老孟司さんらが議論した。「昆虫を採る、育てる」「自然を守る」など八つのテーマで構成されている。

 絵本は130冊作り、市内の学校に配布するほか、市立図書館などに置く。

 16日、市役所でお披露目会を開いた。ゆるキャラで市昆虫課の「カブトン」課長らが出席した。京都芸術大の矢野浩二教授、絵本の久保田健一編集長、渡辺賢一プロデューサーが説明した。3人は「子どもから大人までが楽しめ、話し合える内容になっている。地域にも、全国にも発信していきたい」と話した。白石市長は「来年は大阪・関西万博も開かれる。日本のアニメと昆虫の聖地・田村市のPRにつなげられたらうれしい」と意気込んでいる。

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 同日から、昆虫サミットの様子をユーチューブで公開している。

昆虫絵本の完成を喜ぶ(左)からカブトン、白石市長、矢野教授、渡辺さん、久保田さん

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