こんな教科書なら勉強したくなりそう…鹿児島市のミニチュア作家田中達也さんが表紙デザイン 県内公立小が今春から採用

田中達也さんが手がけた小3(下)の教科書表紙。サンドイッチやおにぎりで山を表現した(学校図書提供)

 今春から鹿児島県内すべての公立小学校などで使われている算数の教科書表紙を、鹿児島市在住のミニチュア写真家、田中達也さん(42)が手がけた。文房具や食材を使って、街並みや自然の風景を表現。田中さんは「子どもに身近なものを使って作った。生活と算数を結びつけて考えるきっかけにしてほしい」と話す。

 学校図書(東京)が出版する小1~6年生用の全12冊。サンドイッチやおにぎりの山で「三角形」、鉛筆の畑は「面積」と、各学年で学ぶテーマに合った作品が表紙を飾る。小1(上)は、入学をイメージし、ピンク色のボタンで桜を表現。小6別冊では「中学校への架け橋」として、鉛筆と分度器で橋を作った。

 学校図書の担当者によると、日常にあるものを別のものに見立てる田中さんの作品づくりが、「身近な事象を数や図形に置き換えて考察する」という算数の考え方と親和性があると感じ、表紙を依頼した。見て楽しく、開きたくなる教科書を期待したという。

 これまでも、高校音楽の教科書表紙などを担当した田中さん。今回の算数教科書は、息子2人も学校で使っている。普段の作品づくりでも、数学的な考え方が役立っていると言い「楽しみながら、生活の中でどう算数を生かすか考えてほしい」と話した。

田中達也さんが表紙を手がけた小学校算数の教科書表紙12冊を一気見(MINIATURE LIFE提供)
田中達也さんが手がけた小1(上)の教科書表紙。ピンク色のボタンで桜を表現した(学校図書提供)

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