【虎に翼】「姉は15で売られて…」土居志央梨〝よね〟の壮絶半生は「おしん」超え

「よね」を演じる土居志央梨

17日放送されたNHK連続テレビ小説「虎に翼」で、自己にも他者にも厳しい命がけの法学生・よね(土居志央梨)の過去が語られた。その壮絶さに、大反響を呼んだ1983年度の連続テレビ小説「おしん」を思い起こす視聴者のX(旧ツイッター)投稿が相次いだ。

ヒロインの寅子(伊藤沙莉)やよねらが法律を学ぶ明律大女子部。学生減少で存続の危機に直面し、法廷劇で志望者を増やそうとしたところ、舞台には男性から卑劣なヤジが飛び、その主に詰め寄ったよねは押し倒されてしまう。怒り心頭で男に急所蹴りで反撃するも、騒動で芝居は打ち切られ、学生たちには処分の話が持ち上がった。

痛むよねを住み込みで働くカフェーに送り届けた寅子らは、気になる経歴を本人の口から聞かされる。「百姓の次女」に始まり、「朝早くから山で薪取り。昼過ぎからは水くみや畑仕事に弟たちの子守。夜は内職」。父にはよく口答えをして殴られ、ただひとり慰めてくれた姉は「15で売られて東京で女郎に」。そして自身も…。「女をやめる」とまで思い詰め、たどりついたカフェーでボーイとして働き、弁護士を目指すことに。

劇中は昭和8(1933)年。3年後、農村の疲弊を背景にした2・26事件が起こった。寅子のモデルとなった弁護士・判事の三淵嘉子と、前作朝ドラ「ブギウギ」ヒロイン・スズ子のモチーフである歌手笠置シヅ子はともに14年生まれ。ブギウギでは、寅子らの法廷劇騒動と同じ時期、梅丸少女歌劇団で「桃色争議」と称された待遇改善ストが決行される。どちらも女性たちの団結が共通する。

Xでは「おしんを思い出した」「おしんに負けない程の壮絶過ぎ」「おしんも売り飛ばされそうになって、東京の仕事を譲ってもらって逃げるんだよね」などと、国民的ドラマのヒロインと比べる投稿が続出。「がんばれ、よね」のエールも送られた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社