煮干しの魅力 長崎・小浜から発信 20、21日 生産者ら集い全国サミット

「全国サミットを煮干し文化の起爆剤に」と語る井上組合長=雲仙市南串山町

 煮干しの生産者や研究者、小売業者らが一堂に集い、煮干しの魅力を発信する全国で初めてのイベント「全国煮干しサミットin雲仙大会」が20、21日、長崎県雲仙市小浜町の市小浜体育館で開かれる。入場無料。
 テーマは「煮干しの未来を考えよう」。雲仙市を含む橘湾沿岸地域は煮干しの有力産地の一つ。煮干しをご飯と炊き込む「自転車飯」と呼ばれる郷土料理もあり、煮干しが食生活に溶け込んでいる。
 農林水産省の統計によると、2022年の煮干し生産量は1.7万トン。約20年前と比べ半分に落ち込んでいる。原料のカタクチイワシの漁獲量が激減していることや漁業者の減少などが背景にある。
 煮干しの文化をつないでいこうと、橘湾東部漁協などが実行委(竹下千代太委員長)を結成。サミット開催を決めた。千葉、香川、熊本などの産地から生産者らが参加する。
 サミットではシンポジウムのほか、煮干しグルメの店が出るマルシェ、演歌歌手の鳥羽一郎さんが出演するショー(20日午後2時から)など多彩な催しを用意。煮干しへの関心を高める。
 シンポジウムは20日午後1時から。煮干しに詳しい学習院女子大の品川明教授が「煮干しの現状と未来」をテーマに基調講演。漁業者と研究者の現場報告、煮干しのだし汁のワークショップ、漁業者や小売業者らのパネル討論がある。
 21日は正午から、地元中学生の吹奏楽演奏に合わせて漁船40隻が海上パレードを披露する。
 両日とも全国各地の煮干しを販売するほか、ラーメンやアイスクリームなど煮干しグルメや雑貨が出店するマルシェが開かれる。
 大会会長の井上幸宣・橘湾東部漁協組合長は「煮干し文化を見直す起爆剤にしたい」と来場を呼びかけている。問い合わせは実行委事務局(電090.1361.1712)。

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