「PS5 Pro Enhanced」詳細判明か。未修正ゲームも「ウルトラブースト」で高画質化?

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ソニーがPS5の強化型、通称「PS5 Pro」を準備中であり、すでに開発者にテストキットを配布中であること、そして2024年内に発売する予定であるとの噂話は、昨日も報じたばかりだ。

それと合わせて、PS5 Proで強化されるゲームには「PS5 Pro Enhanced」ラベルが付与されるとの自称リークも、複数の情報源から届けられてきた。これら強化ゲームにつき、ソニーが開発者に求めている詳細が明らかになったとThe Vergeが主張している。

「ソニーの計画に詳しい情報源」によると、同社はPSSR(ソニー独自開発の超解像技術)による4K解像度へのアップスケーリングと、60fpsのフレームレート、レイトレーシング効果を組み合わせた、PS5 Pro専用の新たなグラフィックモードをゲーム内に設けるよう求めているという。

ただし「Enhanced」ラベルは、これら全ての機能を活用する必要はないようだ。たとえば30fpsであれ、次のように許容されるケースがあるという。

  • PS5上で固定解像度で動作するゲームの目標解像度を上げる(1440p→2160pなど)
  • PS5上で可変解像度で動作するゲームの目標最大解像度を上げる(1080p~1440p→1280pから2160pなど)
  • 解像度やフレームレートはそのままに、レイトレーシング効果を有効とする
  • PS5と同じ解像度で、目標フレームレートを30fpsから60fpsに引き上げる

もっとも、以下のような場合はEnhancedラベルには不十分とされている。

  • より安定したフレームレートでゲームを動作させるだけ
  • 可変解像度を底上げするが、最大解像度を向上しない。1440p~2160pから1800p~2160pになっても対象外

これら独自機能を使うには、ゲームをソニーの最新SDK(ソフトウェア開発キット)によりアップデートする必要がある。だが、アップデートしないゲームでも、PS5 Proの恩恵を受けられるものもあるという。

それを実現するのが「ウルトラブースト」モードだ。VRR(可変リフレッシュレート)のフレームレートが向上し、可変解像度のゲームはより高い解像度になる可能性がある。特定のゲームでは、全体的なフレームレートもより安定するかもしれないという。

その一方、ソニーは開発者に対し、パッチ未適用ゲームの多くはウルトラブーストモードでも改善が見られないと警告しているとのこと。たとえば固定解像度のゲームは恩恵を受けられないようだ。

こうした「PS5 Pro Enhanced」ラベルの要件は、かつての「PS4 Pro Enhanced」とほぼ同じであり、開発者が改善したい箇所を選べる柔軟性があると伝えられている。PS4 Pro当時も、ソニーは様々なメリットがあると説明しつつ、Enhancedラベル付きゲームのどこが強化されているのか明示を求めていなかった

要はPS5とPS5 Proは同じゲームが動作し、その差はゲーミングPCでいえば「少し高いグラフィックボードに載せ替える」程度ということだろう。現行モデルを持っているユーザーの場合、ゲーム機1台分を投資するだけの価値を見いだすかどうかは不明だ(ゲーム専用機とゲーミングPCユーザーの金銭感覚は違うだろう)。

しかし、解像度やフレームレートの底上げ、レイトレーシングの活用は、開発者にとっては次世代機「PS6」までの肩慣らしとなりうる。ソニーも、ゲーム機の世代交代を視野に入れているのかもしれない。

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