竜門石窟、洞窟の壁の中から多数の石像発見 中国河南省

竜門石窟、洞窟の壁の中から多数の石像発見 中国河南省

補修を終えた竜門石窟擂鼓台南洞。(資料写真、鄭州=新華社配信)

 【新華社鄭州4月17日】中国河南省洛陽市の竜門石窟研究院は、竜門石窟東山擂鼓台(らいこだい)エリアの修復・強化・水害対策プロジェクトに合わせて調査した擂鼓台南洞で、前壁(西壁)の内部から石像や建築部材80点余りをを発見したと明らかにした。

 同研究院歴史人文研究センターの路偉(ろ・い)主任は「竜門石窟の考古学調査における石像の集中的な出土で、過去に補修された壁の中から石造が発見されたのは初めて」と述べた。

 竜門石窟は1500年余りの歴史を持つ。擂鼓台は東山石窟区の南端に位置し、同石窟区で比較的早い時期に造営され、規模も比較的大きい洞窟群とされる。北・中・南の三つの洞と洞外崖面の多くの小龕(がん、仏像などを納める壁面のくぼみ)が独立したエリアを形成している。

 南洞の前壁は石と青磚(せいせん、青みのある灰色れんが)で築かれ、厚さは約1.3メートル。壁の内の埋め土に遺物が含まれているのを発見し、調査の結果、遺物は壁内に積み重ねられていることが分かった。

竜門石窟、洞窟の壁の中から多数の石像発見 中国河南省

竜門石窟擂鼓台南洞で出土した仏頭。(資料写真、鄭州=新華社配信)

 路氏によると、出土したのは石像が中心で、仏頭のほか、破損した菩薩像、頭部、脚部、模様装飾、蓮華座などが見られた。像の多くは接合修復が可能で、現在作業を進めている。仏頭の一つは縦38センチ、横22センチ、奥行き19センチで比較的保存状態が良く、盛唐時期の竜門石仏の風格を持つ。

 考古学者は、擂鼓台エリア窟前遺跡のこれまでの発掘成果や文献記録をもとに、壁内の造像が明代中後期の壁面修復で材料節約のために埋められたと推測する。

 路氏は今回の発見について「竜門石窟の唐代造像芸術、擂鼓台エリアの歴史文化と変遷、過去の修復と地震の歴史、当時の経済・社会の状況などの研究で重要な価値を持つ。竜門石窟の保護と研究を深める上でも重要な意義がある」と語った。(記者/桂娟、袁月明)

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