<レスリング>【2024年アジア選手権/最終日・特集】メダル獲得選手の声(男子グレコローマン3選手)

(2024年4月16日、キルギス・ビシュケク / 撮影=保高幸子)


■72kg級・原田真吾(ソネット=2度目の国際大会で初の優勝)「うれしいですけど、持ち味のグラウンドが決め切れないことが多かったので、直していくことが多いです。(決勝はリードされての逆転勝ち)外国選手が必ずばてるとは思わなかったです。人それぞれでしょう。決勝は相手が先にばててくれたので、自分の方が練習量が多かったのかな、と思います。(国際大会初優勝で)収穫と課題は多かったです。持ち帰って課題の克服に取り組みたい。(育英大の)松本隆太郎コーチは帯同できませんでしたが、計量のあと連絡をとってアドバイスをもらい、決勝の相手の特徴なども教えてもらって、役に立ちました。

日本はフリースタイルや女子だけではなく、グレコローマンも強いことを見せられたと思います。72kg級の原田もアピールできましたが、鼻を高くすることなく、1からやり直す気持ちで頑張っていこうと思います。先のことを考えるのではなく、まず次の明治杯を頑張りたい。(非オリンピック階級の)世界選手権出場も頭には入っています。キルギス選手とも闘いましたけど(2回戦)、最後の決勝では応援が多くてうれしかったです」


■82kg級・吉田泰造(香川・高松北高=日本男子最年少のアジア・チャンピオンへ)「きのう、日下(尚)先輩がマフムドフに勝って優勝し、かっこいいと思いました。去年、U17世界選手権で優勝して、そのときに会場の雰囲気などを経験したので、緊張はさほどなかったです。(決勝は2年前のチャンピオンだが)対戦相手のことは知らないです。今、2年前のアジア・チャンピオンと聞いて、びっくりしました(笑)。4点技は狙っていたのではなく、取られた、と思ったけど、気がついたら返していました。感覚の技ですね。

全試合、チャレンジャーの気持ちで闘いました。高校生が出ることが珍しい大会なので、1勝すればいいと思っていましたけど、同部屋の稲葉(海人)さんと原田(真吾)さんが『優勝するぞ』と言ってくれて、優勝に意識が向きました。U17世界選手権で優勝してから、気持ちはシニアの国際大会へ向いて練習していました。シニアの舞台であっても、年上の選手が相手という感覚はなく、同世代の選手が相手という感覚でした。年は違っても同じ階級の選手とやるスポーツですから、年は気にならなかったです。日本の重量級でも勝てることを見せられて、自信になると思います」


■60kg級・稲葉海人(滋賀県スポーツ協会=決勝進出も、世界王者にはね返される)「びびったわけではないですけど、後手に回ったことは確かです。点差は離されてしまいまったのですが、手応えとして、手が届く距離にはいると思います。結果としてテクニカル(スペリオリティ)で負けたので、修正していかなければならないことはたくさんあります。圧力が強いことは聞いていましたが、(文田)健一郎先輩や(鈴木)絢大先輩と毎日練習していていることもあってか、驚くほどではなかったです。

国際大会で決勝の舞台に立ったのは初めてで、世界3位の中国選手と闘え、4試合もできたことともにプラスになったと思います。(4試合を通じての自己評価の点数を問われ)決勝でこういう負け方をしてしまったら、1回戦負けと同じ。3試合がよくても、いい点数ではないです。グラウンドの攻撃は世界でも通用すると思いますけど、防御とスタンドの攻防には課題があります。日本の最軽量級は世界のトップなので、今回の課題をしっかり克服することがロサンゼルス・オリンピックへの道になると思います」

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