高まりつつある期待の声に耳を貸さないテキサンズHCライアンズ、「私たちは常に狩りをしている」

ヒューストン・テキサンズHCのデミコ・ライアンズ【NFL】

ヒューストン・テキサンズは昨オフシーズンにドラフトで大胆な動きに出て興味を引いたあと、デミコ・ライアンズHC(ヘッドコーチ)の就任初年度に驚くべき地区優勝を果たした。それを受け、2024年にはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の王座を狙えるのではないかと期待が高まっている。

テキサンズがオフシーズンプログラムを開始した現地15日(月)、ライアンズHCはそうした期待によってコーチや選手のアプローチが変わることは少しもないと強調した。

チーム公式記録によると、ライアンズHCは「外部の期待は、建物の中には浸透していない」と述べたという。「私たちにとっては、みんなが懸命に努力して、より良くなるために仕事に打ち込むこと。それがすべてだ。期待なんて気にしていない。話すことで試合に勝てるわけではない。時が来たら、試合に出て良いフットボールをしなければならない」

最近、スターワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスをトレードで獲得したことで、テキサンズがタイトルを勝ち取る確率は急上昇しており、クオーターバック(QB)C.J.ストラウド率いるテキサンズはカンファレンスタイトルを争うと予想される上位5チームの1つとなっている。ディッグスの加入によってオフェンスは確実な戦力を手に入れるだろう。多少調子を落としたとはいえ、ディッグスは実績のあるプレーメーカーであり、攻撃コーディネーター(OC)ボビー・スロウィックのオペレーションで危険な武器の1つとなるはずだ。

ディッグスのパフォーマンスが昨シーズン終盤に低下したことについて、ライアンズHCは「私たちは選手のキャリア全体、これまで何をしてきたか、どうやって生産的であったかを見ている。彼はオールプロにもプロボウルにも選ばれたことがある選手で、複数のシーズンで1,000ヤードを突破している。だから、ディッグスをチームに加えることにワクワクしている」と語った。

ヒューストンで話題になったのはディッグスのトレードだけではない。ラインバッカー(LB)ダニエル・ハンターと大型契約を結んだテキサンズは、LBアジーズ・アル・シャイアと契約し、タイトエンド(TE)ダルトン・シュルツと再契約。ランニングバック(RB)ジョー・ミクソンもトレードで獲得している。

これらの動きは全体として、昨年のドラフトでスタークオーターバックを見つけ出し、有望なディフェンシブエンド(DE)ウィリアム・アンダーソンJr.を獲得したテキサンズに、強力な力をもたらすだろう。理論上、テキサンズは2024年に危険で面白いチームになるはずだ。

しかし、ライアンズHCにとっては、どのような言葉も関係ないのだろう。

「私たちは常に狩りをしている」と述べたライアンズHCは「それは変わらない。常に狩りをしている。外から期待されようと、それがどんなものであろうと、私たちが何者であるかは変わらない」と続けている。

【RA】

© NFLJapan.com