会社の業績が悪く「期末ボーナス」が支払われませんでした。就業規則には記載があるのに問題ないのでしょうか?「30万円」もらえると思っていたのに、かなりショックです…

ボーナスは支払わなくても法律的には問題ない

法律的には、ボーナスは支払う時期や回数は定められておらず、業績悪化などが原因で支払わなくても問題ありません。そもそもボーナスを支給しない企業もあります。

ボーナスを支給している企業の多くでは、就業規則でボーナスについて言及しており、ボーナス支給額が「夏は基本給○ヶ月・冬は基本給○ヶ月」と記載されているケースも多くあります。このように就業規則に記載されている場合は、支払わないと法律違反に該当しますが、就業規則に「会社の業績によって、ボーナスの支払い停止・支給額減額もあり得る」などと記載しているのが一般的でしょう。

このような記載が就業規則にあるなら、ボーナスを支払わなくても法律的には問題ありません。客観的に見て業績悪化が明らかなら社会通念上認められるとも考えられます。場合によっては会社からボーナスに関しての通知がされます。

ただし、多少の業績悪化でボーナスを全額カットするのは労働者に大きな不利益を与えると判断され、一部分が違反に該当するかもしれません。

会社から労働者に対して納得できる説明をおこなう

ボーナスがなくなるのは労働者にとって大きな負担となるため、会社は労働者に対して納得できる説明をおこなうことが大切です。

説明などをせずにボーナスカットだけをおこなうと、お互いの関係性が悪くなる可能性も考えられます。業績悪化などでどうしてもボーナス支給が難しいなら、業績についての数字などを示しながら説明することが会社の責任といえるでしょう。

説明を十分にしない状態でボーナスカットをすれば、人材流出などにもつながるでしょう。ボーナス払いなどを利用したローンを組んでいる人は多いですが、場合によってはボーナスが支払われない可能性もあることを理解しておきましょう。

令和5年度の夏ボーナス平均はどれくらい?

厚生労働省の調査によれば、令和5年の夏のボーナス平均は39万7129円ですが、勤務している業界や事業所人数などによって大きな違いがあります。

産業別では、電気・ガス業のボーナス平均は74万5209円で最も高い一方、飲食サービス業などは5万9978円で最も低くなっています。事業所の規模では、基本的には大企業の方が賞与は高くて中小企業は賞与が低くなっています。事業所の規模別のボーナス平均は、図表1のとおりです。

図表1

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等 を基に作成

事業所の規模によってボーナス額が違う傾向があるため、就職や転職などの際には会社の大きさなども視野に入れて考えることも大切です。

まとめ

会社の業績が悪くて期末ボーナスが支払われないのは、就業規則などで定められているなら法律的には問題ありません。ただし、企業はボーナスカットをする際には、従業員に具体的な業績内容などについて説明することが大切です。

出典

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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