【清原果耶さんインタビュー】腹をくくって挑んだ作品「監督、スタッフのために頑張りたい」

Kiyohara Kaya 清原果耶

日本と台湾の合作映画「青春18×2 君へと続く道」で、バックパッカーとして台湾を訪れるアミを演じる清原果耶さん。一足先に公開された台湾での反響も大きく、「人生で浴びたことのないような歓声を私までいただいてしまって。この作品が本当に愛されているんだと感じました」

出演の打診があったとき「絶対にやりたい!」と思ったそう。

「藤井(道人)監督の作品は3作目となるのですが、過去2作でもかけがえのない経験をさせていただいたことと、アミは私を思い描いて書いてくださったと聞いたので、そんなことを言ってくださる役を私以外がやるのはイヤだ!と思い、ぜひ参加したいと思いました」

そんな3回目の藤井組には覚悟も。「藤井監督が今、こういう私を見たいんだなという目線でした。今までご一緒した作品はアミのような陽気な役ではなかったので、これが藤井監督からの次のミッションなんだと思いました。私にアミを任せてくださっている感覚が大きくて、任せてくださるならば、と腹をくくって作品に挑みました」

完成したものを見たときはずっと号泣していたとか。

「アミの感情をすごく覚えていて、アミの母や、現在のジミーの姿などを見て泣いて。主題歌もすごくステキで泣いて。思い入れが強い役だったんだなと思いました。特にここが見どころと言えないのがこの作品の魅力です。ジミーとアミの過ごしてきた日常すべてが青春であり、かけがえのない記憶。大事に全部を見ていただけたら嬉しいなと思います」

台湾での撮影には思い出も。

「ずっと食べていました(笑)。大きなタピオカドリンクを毎日のように差し入れしてくださって、それを飲みながら撮影を頑張れたし、夜食も本当にいろんな種類が出てきて。あんなに食べたのに太ったということもなかったんです。間食せずにしっかり食べていたからかなと思います。健康的な日々でした。撮影現場では、この作品をすごく大事に扱ってくださる熱い心を感じて、そんなスタッフのみなさんのためにも頑張ろうという気持ちが芽生えました」

清原果耶さんの“働く”インフラ

Q.仕事をする上で大切にしていることは?

自分の役の一番の理解者は自分でありたいと思っています。昔はその思いが強すぎて守りに入ってしまうことがありました。そんなときに当時のマネージャーさんから「役は一人で作るものではなくて、みんながその役のことを考えてくれているのを忘れちゃダメだよ」とアドバイスをしてもらい、みんなの気持ちをくんでやるべきなんだと気づきました。成長に導いてくれる言葉は柔軟に取り入れていきたいです。

Q.ピンチの乗り越え方は?

今回の台湾での撮影でも、どうやってコミュニケーションを取ったらいいんだろうと不安でしたが、思いやりがあればなんとかなると気づかされました。話したい、伝えたいという気持ちがあれば、誰かが見ててくれたり、助けてくれたりして、物事が進んでいくと信じています。

【Check】

「青春18×2 君へと続く道」

5月3日(金・祝)TOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開。

(C)2024「青春 18×2」Film Partners

台湾で話題を呼んだ紀行エッセイ「青春18×2 日本慢車流浪記」を原作にした国際プロジェクト。日本と台湾、現在と18年前を舞台に紡がれるラブストーリー。ジミー(シュー・グァンハン)は、18年前に出会った初恋相手・アミ(清原果耶)からかつて届いたハガキを手に取る。日本に向かったジミーは、「夢を叶えたらまた会おう」と突然帰国したアミとの思い出をたどる旅に出る。

【PROFILE】

2002年生まれ、大阪府出身。「アミューズオーディションフェス2014」グランプリを受賞し、2015年、連続テレビ小説「あさが来た」で女優デビュー。ドラマ「透明なゆりかご」、連続テレビ小説「おかえりモネ」、映画「1秒先の彼」、舞台「ジャンヌ・ダルク」など多岐にわたり活躍。映画「碁盤斬り」が5月17日(金)公開予定

取材・文/高木明日美(シティリビング編集部)、撮影/渡邉真一、メイク/牧野裕大(vierge)、スタイリスト/井阪恵(dynamic)

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