がっくりの塩谷立氏に《男だろ!》の声…裏金問題の再審査請求却下で「離党or除名」選挙も弱い

どうする?(C)共同通信社

「男だろ!」

駒澤大学陸上競技部が2021年の箱根駅伝で優勝した際、当時の大八木弘明総監督(65=現同大フェロー)が伴奏車から選手に向かってこう檄を飛ばす姿が有名になった。

「ジェンダーレス時代にそぐわない」などと物議を醸した事はさておき、この人に対しても《男だろ!》といった投稿がSNS上で飛び交っている。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、党から「離党勧告」され、それを不服として再審査を求めていた塩谷立元文科相(74)のことだ。

自民党は16日の総務会で、塩谷氏が求めていた再審査請求の対応を森山裕総務会長(78)に一任。森山氏は首相官邸で岸田文雄首相(66)と会談後、記者団に対し「再審査を行う理由がない」「相当の理由が認められない」として再審査をしないことを明かした。

この決定を受け、塩谷氏は同日夜、記者団の取材に応じ、「誠に残念ながら却下された。こうした処分になると、党としての取り扱いについては疑問を持たざるを得ない」と肩を落としていたのだが、ネット上では《もう自民党にしがみつく必要もない。君を切り捨てたんだ。今こそ復讐の時だよ》《男になれ。岸田首相に反撃しろ》といった声が少なくない。

再審査が退けられた以上、塩谷氏に残された道は「離党」か「除名」の2つ。選挙に弱いとされる塩谷氏にとっては、どちらを選んでも引退必至だ。そのため、裏金事件について全てを明かすよう、《男だろ!》との意見が出ているようだ。一方、過去の国会会議録を検索すると、塩谷氏自身も「政治家の責任」については一家言あるようで、度々、言及する発言が出てくる。

■過去の国会答弁では「政治は信頼と説明責任が大事」と

「政治には理想と情熱と行動力が不可欠であり、最後の結果が出るまで責任を持たなければなりません」(1994年3月24日の衆院本会議)

「成果は政治家がひとり占め、失敗はすべて官僚の責任、これが民主党の唱える政治主導なのでしょうか。我々自由民主党は、政治家が最終責任をとることが政治主導だと認識しております」(2010年11月15日の衆院本会議)

「国の最高権力者たる総理が、国政、外交上の重要問題や危機管理にかかわる問題について、法に触れなければいいなどと全く無責任な発言を繰り返していることは、まことに嘆かわしいことです。国民は、倫理観、責任感、使命感が決定的に欠如している総理に、我が国のかじ取りを任せることなどできるわけがありません。秘書や後援会の幹部の逮捕、そして議員自身の起訴、さらには女性スキャンダルなどなど(略)次から次へと起こった数々の政治疑惑に、逃げるばかりで何の自浄努力も説明責任も果たさず、しかも国民の命を守る自覚のない、全く無責任な総理、与党幹部、大臣、そして当該議員の即時辞職を求め」(2010年4月8日の衆院本会議)

「政治は信頼と説明責任と、そして将来展望を明確に示すということが大事であります」(2011年5月11日の衆院経済産業委員会)

発言を見る限り、塩谷氏は政治信条として、裏金事件について責任を取らず、逃げ回っている岸田首相の姿を見て、「国の最高権力者たる総理が法に触れなければいいなどと全く無責任な発言を繰り返している」と見ているのではないか。

ちなみに1970年代に大ヒットした日本テレビ系ドラマ「おれは男だ!」の主題歌は「さらば涙と言おう」だった。塩谷氏も「さらば自民党」「さらば岸田首相」と腹をくくることができるだろうか。

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