「試合に出られない兄ちゃんの分までやってやる」と奮起。J1初ゴールの湘南FW福田翔生に兄・湧矢もメッセージ

「多くの人に支えられているんだな、と再確認しました」

4月13日のJ1第8節・横浜F・マリノス戦で悲願のJ1初ゴールを挙げた湘南ベルマーレのFW福田翔生。3連敗中のチームに貴重な勝点1をもたらす同点弾を決めてから3日後、福田のもとには祝いの連絡が届いていた。

「FC今治やY.S.C.C.横浜の元チームメイトやスタッフなど、仲の良い色々な人から『おめでとう』と言ってもらいました。たくさんの人に関わってもらえたからこそ、今があるので、改めて感謝したいです」

福田のゴールに、多くの関係者が歓喜しただろう。そのなかでも、格別の喜びを味わったのは、ガンバ大阪で戦う兄・湧矢かもしれない。

「兄ちゃん(福田湧矢)からも連絡をもらいました。『最高だ!!』と、すごく喜んでくれて(笑)。今回のゴールに関わらず、兄ちゃんは毎試合『お前ならやれるぞ』というような連絡をくれるんです。そのおかげもあり、良い気持ちでゲームに臨めています」

【動画】湘南FW福田翔生のJ1初ゴール!
弟・翔生が昨年の夏にJ1のYS横浜からJ1の湘南へステップアップした際にも、一番喜んでくれたのは兄・湧矢だった。幼い頃から紡がれてきた兄弟の絆は、互いにプロ選手となった今も、変わらず強く結ばれている。

「兄ちゃんは今、リハビリを頑張っているので“試合に出られない兄ちゃんの分まで僕がやってやる”という気持ちで頑張っています。6月には初の兄弟対決の可能性もあるので、すごく楽しみですね。J1の舞台での兄弟対決は夢なので」

兄・湧矢は1月に左腓骨筋腱障害を受傷し、現在リハビリ中。約2か月以内に復帰できれば、6月1日のJ1第17節で夢の兄弟対決が実現する可能性がある。

昨季は弟・翔生の湘南への完全移籍が決まった8月17日の2日後が2巡目のG大阪戦だった。兄・湧矢は同試合に途中出場も、弟・翔生はメンバー入りならず。もし今季、兄弟対決が実現すれば、プロ入り後初の記念すべきゲームになる。

夢の実現を心待ちにしながら、弟・翔生は横浜戦でのJ1初ゴールを皮切りに、継続的に数字を刻めるか。「得点できずに感じていた重圧が取り払われた」という23歳がブレイクを果たす日も近いかもしれない。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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