ナダルが1年11ヵ月ぶりにクレーコートでプレー。快勝で初戦突破「観客が素晴らしかった」[バルセロナ・オープン]

ナダル、12度制したバルセロナの地に帰還。観客もスタンディングオベーション

現地4月16日、男子ツアー「バルセロナ・オープン・バンコ・サバデル」(スペイン・バルセロナ/ATP500)シングルス1回戦が行われ、同大会12度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク644位)が3か月ぶりに実戦復帰。フラビオ・コボッリ(イタリア/同62位)を6-2、6-3で下し、2回戦進出を果たした。

昨年の全豪オープンで股関節を負傷しツアーを離れていた37歳のナダルは、今年1月のATP250ブリスベンで約1年ぶりに復帰したものの、今度は脚部を痛めて実戦から遠ざかる。「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ATPマスターズ1000)を欠場すると、2005~2012年の8連覇を含む歴代最多11度の優勝を誇る「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」も出場を辞退することとなった。今大会は、3ヵ月ぶり今季2大会目の出場となった。

同大会2005年の初優勝から12度のタイトルを獲得し、3年ぶりの出場。キャリア通算勝率91%と“クレーキング”の帰還に、観客はスタンディングオベーションで出迎えた。そのナダルは、落ち着いた立ち上がりを見せ、徐々にアクセルを踏んでいく。力強いストロークでコボッリを苦しめて2度のブレークに成功し6-2で第1セットを奪った。

クレーコートでの試合は2022年全仏オープン以来、実に1年11ヵ月ぶり。コートについたボール痕を足で消したり、シューズの裏についた土をラケットで落とす仕草に懐かしさすら感じるが、プレーは健在。第2セット、先にリードしたナダルは第3ゲームでミスが続いてブレークバックを許したものの、第4ゲームで再びブレーク。コボッリのミスを次々と引き出し、その後はピンチもなくきっちり試合を締めた。

試合後、ナダルは「毎回難しいし、特に年齢を重ねればさらにタフになる」としつつも、「ツアーでみんなと練習し、少し試合に出られることは僕にとって大きな意味がある。楽しいよ。勝利でスタートすることができてうれしい」と語った。

また、ATP公式サイトにナダルのコメントが掲載。「観客が素晴らしかった。始まる前からコートが満員だったんだ。今日、コートに立って、あの暖かさと応援を感じることができたのは、僕にとって大きな意味のあること。特別な場所でこのようなサポート、愛を受けることはとても助けになる」と自身の名を冠した“コート・ラファ・ナダル”での最高の後押しを喜んだ。

昨年12月には、自身のSNSで「間違いなく(現役)最後の年になる可能性はある。それが半年か1年の可能性もあるし、どちらでもないかもしれない。こればかりは今の僕には答えられない」と投稿し、引退を示唆しているナダル。母国スペインでクレーコート・シーズンをスタートさせた。

2回戦では第4シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同11位)と対戦する。

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