【円安】負担10万円増!?ステーキ店の仕入れ値“3倍”…34年ぶり1ドル154円台が家計も直撃「とてももたない」

円安が止まりません。2024年4月15日、1ドル=154円台半ばをつけ、約34年ぶりの円安水準を更新。
GW前の記録的な円安に、海外旅行をためらう人も…。

【写真】【円安】負担10万円増!?34年ぶり1ドル154円台が家計も直撃

会社員(40代):
旅行行きたいなと思っているんですけど、ちょっとやっぱり費用がちょっと高い。行くなら国外に行きたいなとは思っていますけど、高いからいけないっていうのはちょっとさみしいと。

旅行会社勤務(40代):
福岡に帰省します、地元です。やはり(海外の)物価は気にしちゃう、現地の滞在費をいかに安く抑えるか、ネットで検索しながら探したりします。

東京外国為替市場の円相場推移を見てみると、
2024年1月、年明けは1ドル = 142円台だったものが、2月には150円台に。
4月に入ってからも上がり続け、11日には一時1ドル=153円前半を突破。1990年6月以来、約34年ぶりとなる円安水準となりました。

仕入れ値3倍…家計負担10万円増

記録的な円安の影響を大きく受けたのは飲食店です。
東京・墨田区にあるステーキとハンバーグがメインの店「ヌーベルバーグ」。

創業18年のこの店では、ステーキにアメリカ産の牛肉を使っていますが、円安の影響で、10年以上前と比べて仕入れ値が3倍になっているといいます。

10年以上前と現在のメニュー表を比べてみると、300gのステーキは1750円だったものが、4180円と倍以上の値段になっています。

記録的な円安に店のオーナーは…。

ヌーベルバーグ・清水恒章オーナー:
(値段を)完全に3倍にはできないね。仕入れが3倍だからって。ステーキじゃないメニューにシフトチェンジをしないと…そういう考え方しかないかな。

円安がこのまま続いた場合、輸入品の値上がりなどを通じた私たちの暮らしへの影響はどうなってしまうのか?

みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、1ドル=154円台という水準がこのまま続いた場合、2024年度の世帯平家計負担は前年度と比べ、10万円を超えて増加するといいます。(※電気・ガス代での補助金がなくなることや、再エネ賦課金の値上がりなども踏まえた計算)

さらに、輸入価格の上昇でエネルギーコストが上がり、電気・ガス料金や食品(穀物類、肉類)などが値上げする可能性があるのです。

明治安田総合研究所フェローチーフエコノミストの小玉祐一氏は、今後、さらに様々なものに影響が出てくると話します。

フェローチーフエコノミスト 小玉祐一氏:
まずマイナス面からお話しすると、物価ですよね。電気代とかこの1年下がってきたんですけど、またじりじり上がっている。これは円安の影響があると。
あとは生活必需品、エネルギーと食品ということで、日本は食品輸入大国なので、色々な物が上がってくるわけです。牛肉、豚肉、鶏肉と、家計の懐にやさしい海外産の値段が上がるというのは、これは痛いわけです。
あとは身近なところですと、食用油、原料になる菜種などはほぼ100%輸入ですので、マーガリンやマヨネーズなども上がってきます。
物の値段だけではなく、サービス、海外旅行も高嶺の花になったというのもありますし、国内旅行も無縁ではないわけです。インバウンドが増えていることにより、観光地のホテル代などがすごく上がっているわけです。飲食もそうですね。

ただ、ものの価格が上がるということは、企業はもうかっているということなんですね。
ですから、もうかっている分を賃上げという形で家計に還元されれば、これは家計にとっては得になるわけです。
「それは…」と首をかしげる人は多いかもしれませんが、実際はできつつあると。

――円安はどこまで続くのでしょうか?政府の介入は?
政府の介入は時間の問題になってきたと思います。政府としてはできれば円買い介入というのはあまりやりたくないですね。というのは、手持ちのドルを使ってしまうと。
外貨準備と言うんですけど、日本はたっぷり持っているのですぐに枯渇することはないんですけども、ただじゃんじゃん使うわけにはいかないと。
だから今、口先で色々言っているわけです。「高い緊張感を持っている」「万全に対応していく」と。口先で介入してなんとか時間稼ぎをしている間に、アメリカが利下げをしてくれれば、ドル高が止まる可能性は出てくるんですけども、今、利下げの時期が逃げ水のように先に先に伸びている状況なので、とてももたいない感じなので。早晩介入が入る可能性が高い。

ただ、介入があったからと言ってドル高が止まるかというと、そうとは限らないと。アメリカが利下げを始めるか、日銀が予想よりも大きく利上げをするか。
根強いドル買い圧力というのは残りそうな感じですね。

(『めざまし8』 2024年4月17日放送より)

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