東宝、直近のアニメ事業は収入+90%と大幅伸長『呪術廻戦』配信から『SPY×FAMILY』上映まですべての指標が好成績

大規模なブースを構えたAnimeJapan 2024内「TOHO animation」ブースの一部(編集部撮影)

東宝が15日に発表した2024年2月期(’23年2月〜’24年1月)決算によると、営業利益が32%増(前年期比、以下同)の592億円を記録し、過去最高益を達成したことが明らかになった。なかでもアニメーションの製作や配給を行う「映像事業」が好調だったという。

【画像】【表】東宝が公表した「アニメ事業」ソース別売上成績+今後の注目ラインナップ(資料より)

同日公開された決算資料によると、映像事業に内包される「アニメ事業」について、営業収入が462億6900万円にのぼり、90.7%増の大幅な伸長を見せていたことが分かった。同資料ではソース別の売上構成も紹介されており、「配信」「キャラクターライセンス」「商品物販」「パッケージ」「劇場公開」「演劇公開」の全てにおいて前年期比で増加が見られたほか、国別業績では日本国内で98%、海外で78%の増加となり、世界的な成長が伺えた。

なかでも「劇場公開」ソースが174.9%増と他ソースと比べても高い成長を記録しており、同社が配給を務める『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』のヒットが2022年公開の『劇場版 呪術廻戦0』による反動を大きく上回ったと分析。

また、これに劣らぬ97.1%増の成長を見せていた「配信」ソースについても、同期に配信されたTVアニメ『呪術廻戦』『SPY×FAMILY』『僕のヒーローアカデミア』などが好調に推移したほか、パッケージでは『刀剣乱舞』『呪術廻戦』『お兄ちゃんはおしまい!』『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』などが増収に貢献した。そして、昨年TVアニメ第2期の放送と同時にリリースされ、瞬く間に人気タイトルとなったスマートフォンゲーム『呪術廻戦 ファントムパレード』については、ゲーム運営元からのライセンス配分金が同期中に計上されており、こちらも業績押し上げに貢献した。

なお、同資料では上記の業績開示とともに、今後の動きとして新作アニメ作品から抜粋して3作品を投資家向けに紹介。現在放送中のTVアニメからは「刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-」と「怪獣8号」を取り上げたほか、5月から日本テレビ系にて第7期が始まる「僕のヒーローアカデミア」も並んでおり、継続的な自社ブランドへの投資と長期的なビジネス展開をアピールした。

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