KDDI・ソフトバンク・楽天モバイル、4月17日成立の改正NTT法に見解 時限規定に「強い懸念」再び

KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯キャリア3社は4月17日、同日に成立した「日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律」(改正NTT法)に対する見解を発表した。

改正NTT法の見直しに意見を表明した電気通信事業者・地方自治体などの181者が特に重要と考える公正競争、ユニバーサルサービス義務、経済安全保障に関する事項は、総務省の情報通信審議会で引き続き検討されている状況にある。

この状況を改正NTT法の付則で「日本電信電話株式会社等に関する法律の廃止を含め」検討することおよび「令和七年に開会される国会の常会を目途」と時限を設ける旨が規定されたことについて、「今後の議論に先立ち、あらかじめ法制度のあり方を方向づけるとともに拙速な議論を招きかねない」とし、極めて強い懸念があるとしている。

一方、今後のNTT法のあり方の検討にあたり、「ユニバーサルサービスの確保、公正な競争の促進及び電気通信事業に係る安全保障の確保等の観点から慎重に検討を行う」こと、「国民生活への影響も大きいものであることから、広く意見を聴取し、国民の理解が得られるよう検討の過程及びその結果について十分に説明を行うこと」などを求める付帯決議がされたことについては、国益・国民生活を保護する観点から非常に意義が大きいと評価した。

3社は、引き続きNTT法の「廃止」には反対しつつ、国民の負担で電電公社時代に構築されたNTTの「特別な資産」の維持と、保護するための規律の時代に応じた見直し、強化も含めて、NTT法のあり方について付帯決議に基づいたより慎重な政策議論が行われることを強く要望している。

改正NTT法については、同日NTTもコメントを発表。研究開発の推進責務・普及責務がともに撤廃されたこと、外国人役員規制の一部が緩和されたことなどを評価しつつ、規制の見直しに向けた議論について引き続き積極的に参加・協力するとしている。

なお3社は、NTT法の改正案が閣議決定された3月にも、改正に賛成する一方で廃止には反対すること、時限を設けることに強い懸念があることなどを表明している。

ニュースリリース(KDDI)

プレスリリース(ソフトバンク)

プレスリリース(楽天モバイル)

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