英CPI、3月は予想上回る前年比+3.2% 利下げ観測後退

Suban Abdulla William Schomberg

[ロンドン 17日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が17日発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.2%と、予想を上回った。市場ではイングランド銀行(英中央銀行)の利下げが遅れる可能性があるとの見方が浮上している。

3月のCPI上昇率は2年半ぶり低水準。2月の3.4%から鈍化したが、イングランド銀行(英中央銀行)の予想とロイターがまとめた市場予想である3.1%を上回った。

アナリストは、インフレとの戦いがまだ終わっていないことが浮き彫りになったと指摘。

キャピタル・エコノミクスの英国担当副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は、英国でも米国同様、物価が高止まりするリスクがあるとし「6月の利下げ開始の確率がやや低下した」との見方を示した。

CPI統計の発表直後、ポンドは対ドルと対ユーロで上昇。市場は依然、年内の利下げを予想しているが、年内に完全に織り込まれているのは25ベーシスポイント(bp)の利下げ1回のみ。11月になる可能性がある。

変動の激しいエネルギー、食品、たばこを除くコアインフレ率は4.5%から4.2%に鈍化。ロイターがまとめた市場予想は4.1%だった。

中銀が注視しているサービス価格の上昇率は、前月の6.1%から6.0%に小幅低下した。

統計局は、総合インフレ率の鈍化は食品価格の鈍化が要因と指摘した。

食品とアルコール以外の飲料の価格は4%上昇し、2021年11月以降で最も小幅な上昇だった。

PwC・UKのエコノミスト、ジェイク・フィンニー氏は、総合インフレ率は引き続き小幅低下しており、今後も低下が続くなら利下げ圧力が強まると指摘。ただ、「中銀は利下げに踏み切る前にインフレが目標水準に向け持続的に低下していることを示すより多くの証拠を得たいと考えるだろう」との見方を示した。

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