N・コルダが史上3人目の5連勝に挑戦 対抗馬は昨年覇者リリア・ヴら【シェブロン選手権・注目の海外勢】

ネリー・コルダが5連勝の大記録を狙う(撮影:GettyImages)

<シェブロン選手権 事前情報◇17日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>

昨年、新会場で初開催となった「シェブロン選手権」はリリア・ヴ(米国)が涙のメジャー初優勝。以前のコースで恒例ととなっていた池への“ウィニングダイブ”もリリアによって受け継がれ、グリーンジャケットならぬ“白バスローブ”に袖を通した。

昨年は首位と4打差の11位タイから出たリリアと首位タイから出たエンジェル・イン(米国)がトータル10アンダーで並び、プレーオフに突入した。エンジェルが1ホール目で池に入れ、バーディとしたリリアがメジャー初優勝。2月の「ホンダLPGAタイランド」以来のツアー通算2勝目を挙げた。

リリアは同年8月に開催されたメジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英女子)でも優勝。同一年でのメジャー大会複数回優勝は2019年のコ・ジンヨン(韓国)以来の快挙となった。そしてその3カ月後、「ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン」の最終日。3打差を追いかけてスタートしたリリアは「66」をマークし、トータル19アンダーまで伸ばして、ツアー通算4勝目を挙げた。今季は棄権が目立ち、優勝争いは見られていないが、直近大会では「37位」「27位」と調子は上がってきている。

2022年は3度目の年間女王に輝いたが、23年は未勝利に終わる大スランプに陥ったリディア・コ(ニュージーランド)も怖い存在だ。今季初戦の「ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」を制して、復活の通算20勝目を挙げた。殿堂入りにあと1ポイントまで迫っているが、メジャーVでレジェンドたちの仲間入りを果たしてもなんら不思議ではない。

3人目は、昨年4勝のセリーヌ・ビュティエ(フランス)だ。7月にフランスで開催された「アムンディ・エビアン選手権」では2位に6打差をつけて、フランス勢として大会初制覇。ビュティエにとって忘れられない、母国でのメジャー初勝利となった。また、1967年「全米女子オープン」をアマチュアで制したカトリーヌ・ラコステ、2003年大会覇者のパトリシア・ムニエ・ルブック以来、3人目となるフランス勢のメジャーVだった。今季は1度のトップ10入りのみだが、大舞台で調子を取り戻せるか。

今大会最大の注目選手は、レジェンドのカリー・ウェブ(オーストラリア)にして「今のLPGAで最も才能のある選手」と言わしめるネリー・コルダ(米国)。前週の「T-モバイル・マッチプレー」で出場4大会連続優勝を果たし、2008年にロレーナ・オチョア(メキシコ)がマークした連勝記録に並んだ。今大会を制し5連勝となれば、1978年のナンシー・ロペス(米国)、2004‐05年のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)に次ぐ史上3人目の大記録となる。これについてコルダは「4連勝できたことをうれしく思う。5連勝して、次世代の子たちに刺激を与えられたら」と話した。

「いい戦いをする中で、みんなに(自分の)ゴルフへの情熱や日々の努力が伝わってほしい。そうすれば、結果はついてくると思う」。大偉業を達成して、米国女子ツアーをさらにもり立てていく。

快進撃を続けるコルダか、連覇がかかるリリアか。はたまた、ほかのライバルたちが躍動するのか。海外選手も見どころの一つだ。

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