吉田鋼太郎「おいハンサム‼」劇場版がシーズン3の“障壁”? ジワるドラマは映画に不向きとファン不安視

クセ強めが人気(C)日刊ゲンダイ

吉田鋼太郎(65)が昭和気質の頑固オヤジを演じ、2022年1月クールにフジテレビ系の“土ドラ”(東海テレビ制作=土曜後11時40分)で放送された「おいハンサム‼」。そのシーズン2が同じ土ドラ枠で6日にスタートし、好評だ。

「頑固で融通が利かないお父さんが最後には“ハンサム”な顔で名言を放つんですが、そこに至るまでの3人の娘たちそれぞれのエピソードや、個性的な周辺人物が面白く、22年の日本民間放送連盟賞や東京ドラマアウォードで優秀賞を受賞しました。今回もクセ強めの主要キャストはそのまま、あの“ジワる”独特な世界観を繰り広げています」(テレビ誌ライター)

6日の第1話放送後、ネット上では《待ってました!》《考察も胸キュンもないし、極端な展開はないけど、やっぱジワる》《首にコルセットしただけで笑える吉田鋼太郎、最高!》などウエルカムな書き込みが目立ち、前作からのファンの期待にしっかり応えているようだ。

テレビコラムニストの亀井徳明氏は「どこがどう面白いのか、なかなか口頭で説明できないのに、一度見たらクセになる魅力があります」と、こう続ける。

「短いエピソードが、一見、何の脈絡もなく重なっていくんですが、その短い場面場面での役者さんたちの間合いの取り方が絶妙。そして、あと1つ2つセリフがあってもよさそうなまま、サクッと次のシーンが始まるという“肩すかし感”。それが全体の独特なテンポを生んでいます。それでいて、1シーン1シーンを凝視していなくても、各話全体のテーマはしっかり伝わる。脚本と監督を務める山口雅俊さん独特のセンスでしょうね。できれば1~2年に1クールくらいのペースで、5シーズンぐらい見てみたい気がします」

もっとも、6月に公開される劇場版に関しては、《このドラマは好きだけど、大スクリーンで見たい内容かと言うと話は別》《せっかくいいコンテンツなのに、安易に映画化してコケてテレビのシーズン3の可能性が消えることのほうが怖いんですけど》なんて、一部ファンから不安視する声もあるようだ。

「国内向け深夜ドラマなので、マネタイズという面では難しいのかな。壮大な物語でも謎解きでも万人共通の感動モノでもないし、配信で世界に打って出るタイプの作品ではないですからね。このタイプのドラマの映画化は、かなりギャンブルではないでしょうか」(エンタメ誌ライター)

西島秀俊(53)と内野聖陽(55)W主演のテレビ東京の深夜ドラマ「きのう何食べた? 」が2021年公開の劇場版で興行収入10億円超えという例もあるが、まずは始まったばかりの「おいハンサム‼」シーズン2を“ゆるっ”と“ジワっ”と楽しんで見るぐらいがちょうどいいかも?

© 株式会社日刊現代