栃木県那須町伊王野の河川敷で2人の焼損遺体が見つかった死体遺棄事件で、県警は17日、司法解剖の結果、住所、職業不詳の男性（55）の死因を頸部（けいぶ）圧迫による窒息死、もう1人の死因を頭部外傷を伴う頸部圧迫に伴う窒息死と発表した。また県警が、何らかの事情を知っているとみられる東京都内の20代の男から任意で事情を聴いていることが、捜査関係者への取材で分かった。県警は同日、河川敷周辺で現場検証を実施した。
17日午前10時過ぎ、捜査車両が次々と規制線を越え、遺棄現場へと入った。県警は現場検証を行い、事件に関係する足跡や指紋、微物の採取作業など遺棄状況を調べたとみられる。
事件は16日早朝に発覚した。同日午前6時50分ごろ、同所の河川敷で、近くを車で通りかかった男性がマネキンのようなものが燃えているのを発見し、関係者を通じて那須塩原署に通報した。同署員が駆け付け、2人の焼損遺体を発見。県警は死体遺棄事件と断定し、同署に捜査本部を設置した。約80人態勢で、殺人事件の可能性も視野に捜査している。
死亡した2人のうち、1人の身元は住所、職業不詳の男性（55）と判明した。
捜査関係者などによると、もう1人は女性とみられる。遺体は顔に袋のようなものをかぶせられ、その上から粘着テープが巻かれていた。近くにガソリンの携行缶のような容器があり、油のようなものをまかれて火を付けられた可能性があるという。
近くの道路から遺体が見つかった河川敷までは、何かを引きずったような跡があった。車などから降ろし、運んで遺棄した疑いがあるとみられる。
