再舗装も行われた上海でのスプリントにドライバーらが反対「マシンがトリッキーになることを考えるといい選択ではない」

 レッドブルF1のマックス・フェルスタッペンは、今週のF1第5戦中国GPにスプリントレースを含めるというF1の決定に批判的であり、このイベントが抱える独自の課題を考えると「最も賢明なことではない」と考えている。

 F1は今年、2019年以来初めて中国に戻り、上海インターナショナルサーキットはモータースポーツの最高峰を再び迎え入れることになる。しかし、4年間の中断により、F1チームにとっていくつか重大な問題が生じている。現在のF1のグラウンドエフェクトカーが、過酷な5.451kmのコースでどのような挙動を見せるかということについての最近のデータがないだけでなく、サーキット自体に再舗装が施されているのだ。

 これにより準備は困難になり、チームの既存データの多くが意味のないものになる。しかし、まるでこうした未知数だけでは不十分であるかのように、中国は今年最初のスプリントレース開催地に選ばれた。今週末はスケジュールが圧迫されているため、チームは完璧なセットアップを見つけるのにわずか60分のフリー走行しか割り当てられていない。上述の状況を考えると非常に大きな課題となる。

「そうするのはとても賢いことだ」とフェルスタッペンは皮肉を込めて、前回の鈴鹿で語った。

「あまりよくないことだと思う。かなり長い間コースから離れていると何が起こるかわからないので、あそこでは普通のレースウイークにした方がよかったと思う」

「一方では、おそらく多少物事が盛り上がることになるだろう。それが彼らが見たいものなのかもしれない。でも純粋にドライビングとパフォーマンスの観点から見ると、それは最も賢明なことではないと思う」

「どうなるか見てみよう。僕は前からあそこを走るのが大好きなので、できる限りすぐに全力で始めたいし、マシンに多くの微調整を加える必要がないことを願っている」

2024年F1第4戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 フェラーリのカルロス・サインツは、フェルスタッペンの懸念に同意し、今年のスプリントの週末スケジュールは、60分のフリー走行セッションが1回含まれるだけであることに注意を向けた。スプリントが行われる週末は金曜日にFP1で始まり、その日の後半にスプリント予選が行われる。土曜日に30分間のレースが開催され、日曜日のメインイベントに向けた予選はその3時間後に行われる。

 今年行われる重要な調整のひとつは、パルクフェルメ規則が土曜日のスプリントで解除され、チームは予選に先立ってマシンのセットアップを変更できるようになることだ。しかしサインツは、中国でスプリントイベントを開催するのはよい考えではないと同意した。

「レースサーキットとしての中国は素晴らしいものだと思うし、誰もが気に入っているコースだと思う。素晴らしいレーシングトラックだし、オーバーテイクできる可能性も高いコースだから、スプリントを行うことは理にかなっている」

「同時に、これはFIAとF1に対しドライバーズブリーフィングで僕たちが言ったことだ。彼らが僕たちに課したレギュレーションの下、こうしたマシンで1時間のフリー走行を行ってすぐに予選に臨むことになる。プランクの摩耗やひとつのバンプでマシンがどれほどトリッキーになるかを考えると、4、5年ぶりの状況でスプリントを(中国GPの週末に)入れるのはよい選択ではないと思う」

「また、再舗装が進んでいるとも聞いた。家にいる人たちにとってはエキサイティングかもしれないが、エンジニアやドライバーは、リスクを冒さず普通の週末を過ごすべきだというのが僕の意見だ」

2024年F1第4戦日本GP カルロス・サインツ(フェラーリ)

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