女子ゴルフ界の“ダイヤの原石”を本田真凜が取材 プロテスト3度失敗も注目の存在に成長した20歳の新鋭

4月19日に開幕する女子プロゴルフのフジサンケイレディスクラシック。この大会で2023年にロゥエストアマチュアに輝いたのが都玲華(みやこ れいか)選手、今年2月に20歳になったばかりの新鋭だ。

ロゥエストアマチュアはアマチュアの出場選手の中で、大会期間を通じてトップに立った選手に贈られるものだが、この都選手は今年3月の大会でもアマチュアトップに輝いた注目選手だ。

可能性に満ちたダイヤの原石を、本田真凜さんが取材した。

「子供のプールで、大人が泳いでいる」ほどの実力

この日、都玲華選手が練習ラウンドをするゴルフ場を本田真凜さんが訪ねました。

本田:
初めまして本田真凜です。

都:
よろしくお願いします。

取材を開始したのは朝7時。ゴルファーの朝は、とにかく早いのが日常です。

本田:
現在朝の7時ですが、練習もこんなに早いんですか?

都:
そうですね、基本はこれくらいの時間から…。

本田:
今日はどんなところに注目して見たら良いですか?

都:
コースのチェックをどんな風にしているのか。課題のスイングなど色々と取り組んでいるので、そこを見てもらえたらと思います。

この都選手は、2023年のフジサンケイレディスクラシックでローアマにも輝いたネクストスター候補。

プロとして通算2勝の金田久美子選手も指導していた石井忍コーチは、その可能性をこう評価します。

「技術的には(プロ)ツアーで戦うレベルにあると思いますし、ショット力としてはクリアしなきゃいけないラインっていうのは超えていると思うんですよ。アマチュアマークはついていますが、子供のプールで、大人が泳いでいるみたいな感じです」

コーチも太鼓判のショットの精度は、すでにツアープロレベルの評価。ここまでどのように成長していったのか、詳しく聞いてみました。

9歳でゴルフ、サッカーや水泳も経験

本田:
いつからゴルフを始めましたか?

都:
私は9歳ですね。

本田:
他のスポーツもやられていたんですか?

都:
そうですね、小学校の頃はサッカーとか水泳とかもやっていました。体力をつけることで運動神経も上がるかなみたいな感じで。

本田:
ゴルフのために?

都:
そんな感じですね。

ゴルフのために、幼い頃から様々なスポーツの経験を積んで来た都選手。注目ポイントに挙げくれていたコースのチェック中、気になることを発見しました。

悔し涙を流したパターを磨き今季へ

それはグリーン上でのパター練習の時のこと。実際にピンが立っているカップの位置とは、まったく違う方向にボールを打つ都選手の姿がありました。

その意味を聞いてみるとーー。

「仮想カップなんですけど、その日のピン位置とかを予想してどこにつけたらバーディーが取れるかというのを、事前に頭に入れて、しっかり打っていけるようにチェックしてました」

日によってピンの位置が変わるゴルフの大会。様々な位置を想定して芝生の目、グリーンの傾斜などを見定めながら、何度もパットをくりかえします。

そして、このパットを強化するウラには、あるきっかけがありました。

それは、去年11月のプロテスト。合格率はおよそ3%。毎年600人余りが受験するものの、上位20位までしか合格できない狭き門です。

都選手は自身3回目のチャレンジに挑むも、スコアメイクの鍵となるパットが決まらず、不合格に終わりました。このプロテスト直後には涙を浮かべながら、こんなコメントを発していました。

「(テストに)通れなかったのは本当に今の実力だと思うので、パターを決めきれなかったです…」

あれから約半年、改めてその時のことを聞いてみました。

本田:
当時の心境はどうでしたか?

都:
3度目の受験だったんですけど、2回目のテストに落ちてから、 自分なりに真剣にやってきた結果だったので、また1年間か…というところが正直ありました。

本田:
プロテスト後、パターを重点的に練習したいと言ってましたが?

都:
ちょっと離れたところに(ボールが)着くと、ロングパットを(ミス)して流れを切ってしまうようなゴルフをしていたので、パッティングのコーチのところにも教わりに行って、いろんな練習を試して来ました。

このオフ、磨き続けたパッティング技術と持ち味のショット精度。この2つを武器に、都選手は19日からフジサンケイレディスに挑みます。

「初めて、ベストアマを取れたすごい思い出のある大会なので、(去年)35位だったので、それよりは、上に行けるように、プロテストにもそれでいい感じに挑めたらいいなって思ってます」

控え目な言葉の中に、都選手の静かな闘志が光っていました。

「世界ゴルフ100選」に選ばれた、川奈ホテルゴルフコースを舞台に繰り広げられる第42回フジサンケイレディスクラシック。海の蒼と山の碧が織りなす絶景の難コースを、都選手がどう攻略するのか注目です。

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