“学歴詐称”を告発した小池都知事の元側近 会見で主張「法廷で闘うとなればすべてを明らかに」

日本外国特派員協会で記者会見を行った小島敏郎氏【写真:ENCOUNT編集部】

2020年にカイロ大学長名で「小池氏の卒業を証明する」との声明が出されている

「都民ファーストの会」元事務総長で弁護士の小島敏郎氏が17日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を行った。東京都の小池百合子知事のエジプト・カイロ大学の学歴について、「私は図らずも小池知事の学歴疑惑の隠ぺい工作に加担してしまいました」と言及し、自身の主張を訴えた。

小池知事の学歴を巡っては、2020年にカイロ大学長名で「小池氏の卒業を証明する」との声明が出されている。小池知事の元側近の小島氏は月刊誌「文藝春秋」で、学歴詐称疑惑に関する告発手記を公表していた。

小島氏の説明や手記などによると、20年6月、小池知事に呼び出されて学歴詐称疑惑への対応を相談された際に、小島氏は「カイロ大学から、声明文を出してもらえばいいのではないですか」と提案した。その後、既存のカイロ大学からのイベント招待状(カイロ大学を卒業したことが記載としている)をもって追及を乗り切る旨を返信したという。会見で小島氏は、20年6月8日に小島氏から小池知事に送ったとする、「頂いた招待状で十分かと思います」などと記載されたメール文面を公開した。

会見で小島氏は「学歴詐称は公職選挙法違反に問われかねない行為であります。ただ、それ以上に、隠ぺい工作に現職の知事が関わったということは重大な問題であります。もし正式な手続きを経てカイロ大学を卒業しているのであれば、なぜ隠ぺい工作をしなければならなかったのか。なぜ声明文の内容をどうするのか相談してきたのか。卒業していないから。そう考えるのが相当ではないでしょうか。国民を欺いたのは、知事としてふさわしくない重大な行為です。私はその行為に加担してしまったことを悔い、事実を明らかにするべく手記を発表しました」との見解を述べた。

続けて、「今後、小池百合子さんが公職に就くための選挙に立候補する。その時に『カイロ大学卒業』と書けば、その時点で(公職選挙法の)犯罪が発生することになります。カイロ大学を卒業していなければ禁錮以上の刑に処せられ、公民権が停止される可能性があります。小池知事がカイロ大学を卒業したという主張は、カイロ大学が卒業したと認めていること、卒業証明書と卒業証書があるということしかありません。その卒業実態を示す証拠は何ら示されておりません」と語った。

小島氏は日本人の元ジャーナリストのA氏がカイロ大学の声明文の原案を作成したと主張している。また、A氏とは友人で、互いの情報を交換して交流を持っていると明かした。

会見の場で、匿名にされているA氏がどんな人物であり、「いずれはアイデンティティーを明かしたうえで証言を話してもらえるのか?」と問われると、小島氏は「結論はイエスです。もし小池さん側から民事訴訟を起こされる、あるいは法廷で戦うとなれば、すべてを明らかにします」と強調した。A氏の名前をこの場で明かしてほしいと再度問われると、「Aさんには今のお話を伝えておきます。ただ、それぞれがどうするかはそれぞれが判断することだと思っています」と答えた。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

© 株式会社Creative2