いのちを大切に 興福寺 放生会

いのちを大切にするという仏教の教えに従い、生き物を自然に放つ放生会が奈良市の興福寺で営まれました。

放生会は、殺生を戒める仏教の教えに基づいて捕らえられた生き物を自然に放つ儀式で、興福寺では観音菩薩の縁日である4月17日に毎年、行われます。放たれるのは、猿沢池で学術研究を行う近畿大学の学生らが事前に捕獲した在来種のモツゴなどです。

一言観音堂での生き物を供養する法要の後、僧侶らは猿沢池のほとりまで降り、般若心経を唱えました。そして、参拝者や椿井小学校の児童などがスロープを使って放つと、60匹のモツゴなどは元気に泳ぎ去りました。

児童は―

「(法要は)生き物の命を大切にするという意味です。(放した魚は)すくすくと育ってほしいです。」

「元気にこれからも生きてほしい。」

猿沢池の生態系は在来種のヨシノボリが増えるなど、改善傾向にあるということです。

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