日光の五十嵐漆器 女性2人が日光彫の後継者に

とちぎテレビ

後継者不足に悩む伝統工芸の日光彫にこの春、2人の若手女性職人が誕生しました。2人を応援するためにクラウドファンディングも始まっています。

日光彫の製造販売を手がける日光市松原町の「五十嵐漆器」です。こちらで、日光彫の職人、彫刻師として働き始めたのは、鹿沼市の澤田萌さんとさくら市の山本真奈香さんのともに23歳の女性2人です。

日光市商工課によりますと、日光彫の県の伝統工芸士には、現在29人が認定されているということです。日光彫も職人の後継者育成が課題となっていて、日光市は去年、伝統工芸の継承者を募集する活動をしている動画メディア「ニッポン手仕事図鑑」と共同で後継者育成のプロジェクトを立ち上げました。去年2回の就業体験を行い澤田さんと山本さんの2人が採用されました。

五十嵐漆器を経営する五十嵐吉子さん(83)は、日光市からの要請で「日光彫を絶やしたくない」と新人職人の受け入れを決断しました。職人となった山本さんは、伝統工芸が好きで工芸士になりたかったと話します。

一方の澤田さんは、祖父が趣味で作っていた日光彫に魅せられたといいます。新人の2人を応援しようと、ニッポン手仕事図鑑はクラウドファンディングを4月6日から始めました。日光彫で使う独特の道具「ヒッカキ刀」などの彫刻刀を2人に贈るほか、多くの人に応援してもらうことが目的です。クラウドファンディングは5月中旬まで行っています。

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