北海道新幹線の函館駅乗り入れ 大泉市長の「実現可能」の調査結果にJR北海道は疑問の声「当社として事業主体にはなり得ない」

北海道函館市の大泉潤市長が目指す、北海道新幹線の函館駅乗り入れ。
市は「実現可能」とする調査結果を公表していますが、これに、市議会のほか、JR北海道などからも疑問視する声があがっています。

17日午前の函館市議会です。
新幹線の函館駅乗り入れについて、3月、大泉市長が公表した調査結果について議論が交わされました。

函館市議会 出村ゆかり市議
「車両費や函館駅は新駅になると思うが、費用の負担はどのように見込んでいるのか」
函館市議会 高橋千晶市議
「今後、(整備費に車両費が)含まれる可能性もあるということでいいか」

議員からは、調査結果に車両の整備費用が盛り込まれていないことへの質問が相次ぎました。

函館市 升田幸司新幹線対策担当課長
「JR北海道や北海道運輸局など関係機関の理解や協力がないといけない」

大泉市長は、新函館北斗駅で乗り換えすることなく函館に行ける「新幹線の函館駅乗り入れ」を公約に掲げています。
3月に実現の可能性を探る調査の結果を発表し、函館市は在来線にレールを1本加える工事を行うことで、事業費160億円台で実現は可能としました。

4月3日には、大泉市長みずから道やJR北海道を訪れて調査結果を説明しましたが、JR側からは調査結果に車両の整備費用が盛り込まれていないことに懸念が示されていました。
17日に開かれたJR北海道の記者会見でも。

JR北海道 綿貫泰之社長
「全車両がそういう形(新車や改修)にならないとだめなので、いろいろな懸念材料がありますが、本当に乗り入れ可能なのかどうかというのは疑問符がつきます」

JR北海道の綿貫社長は乗り入れの実現性に疑問を呈したうえで、「当社として事業主体にはなり得ない」とあらためて強調しました。
議会のほか、近隣自治体からも理解を得る必要があるこの問題。
プロジェクトに高い壁が立ちはだかっています。

© 北海道放送株式会社