正倉院宝物 紫檀塔残欠 装飾性の高い工芸的作品の可能性

これまで建造物のひな形の一部とされていた正倉院宝物の紫檀塔残欠(したんのとうざんけつ)が調査の結果、装飾性の高い工芸的作品の可能性があることが新たに分かりました。

正倉院事務所は宝物の調査研究や修理などについて記した「正倉院紀要 第46号」を公開しました。宝物のうち、奈良時代のものとみられ塔のひな形の一部とされる紫檀塔残欠については、495のパーツが現存しています。今回の調査で、小さなパーツを寄せ集めて1つの部材をつくる「寄木」という加工法がみられたといいます。また、建造物ではなく工芸品に使われることが多い樹脂の「乳香」が寄木の接着などに使われた箇所があることが新たに判明し、装飾性の高い工芸的作品である可能性があるということです。紀要は正倉院事務所のホームページから見ることができます。

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