丘陵に広がる “白いじゅうたん”…呉羽梨「幸水」人工受粉は大忙し 富山

呉羽梨の産地として知られる富山市の呉羽地区では、白くて可憐なナシの花が満開を迎えました。主力品種『幸水』の収穫に向け、生産農家は受粉作業に追われています。

中川環アナウンサー:「呉羽地区では、ナシの花がいま見頃を迎えています」

白く可憐な花びらが特徴のナシの花。なのはな農協呉羽梨選果場によりますと、ことしのナシの開花はほぼ平年並みで去年よりは10日ほど遅いということです。

17日の富山県内は、日中の最高気温が富山市で22.9℃、高岡市伏木で22.8℃など5月中旬並みの気温となりました。

生産量のおよそ7割を占める主力品種『幸水』は、ほかの品種に比べて開花が遅れる傾向ですが、ここ数日の気温の上昇で一気に開花が進み、満開を迎えた花が多いということです。

この陽気の中、富山市吉作の倉川英典さんの畑では、今月15日からナシの花の受粉作業が始まり、朝は10人が畑に出て、丁寧に花粉をつけていきました。

倉川鷹斗さん:「順調だと思います。開花状況は例年通りになっていますので、霜の影響もなく無事咲いてくれました」

花粉不足の影響なく順調に生育…

受粉作業に欠かせない花粉。実は、ナシやリンゴなどの植物に広く感染する“火傷病”が中国で広まったことにより、国は去年から中国産の花粉の輸入を停止しています。

ナシの産地、千葉県などでは花粉不足が問題となりましたが、倉川さんの梨園では影響がなかったと言います。

倉川鷹斗さん:「私のナシ園の方では、自分で採った花粉の方を使用していますので、全く影響はなかったです」

受粉作業は19日まで行われ『幸水』の出荷は例年通り、8月中旬ごろを予定しています。

© 株式会社チューリップテレビ