「水木しげるという人間くさい素晴らしい漫画家をぜひみていただきたい」 水木しげる記念館 リニューアルオープン前に内覧会

約1年間の休館期間を経てついにカムバックです。
鳥取県境港市の水木しげる記念館で、4月20日土曜日のリニューアルオープンを前に、17日、報道陣向けの内覧会が行われ、施設の全貌が公開されました。

コロナ禍では苦戦を強いられましたが、アフターコロナの今、新たな水木ワールドが多くの人を楽しませてくれそうです。

4月20日土曜日にリニューアルオープンするのが、水木しげるロードのランドマーク・「水木しげる記念館」です。

総事業費は約9億円。
施設の老朽化を受け、旧記念館よりも1.5倍の面積に改装しました。

水木しげるさんの妻・武良布枝さん
「もう言葉にならないくらい感謝感激でいっぱいです。本当にありがとうございます」

土江諒 記者
「2階に上がってきました。すごい、まず水木先生が出迎えてくれました。新しい記念館では、水木先生の生涯を追体験できるようになっています」

2階の常設展では、水木さんの幼少期や過酷な戦争体験、漫画家になるまでの道のりが追体験できる展示となっていて、水木さんの知られざるエピソードを知ることができます。

土江諒
「フォトスポットもありますし、こちらは洞窟です。水木先生が描いた妖怪たちが展示されています。みんなこっちを見ているのでゾクゾクします」

他にも鬼太郎の誕生秘話を知ることができる企画展や、記念館オリジナルグッズを取り揃えるショップも併設。
水木ワールド全開の記念館に生まれ変わりました。

水木しげる記念館は今から21年前、2003年3月に割烹旅館だった建物を改装してオープン。

米子鬼太郎空港や国際クルーズ船ターミナルが隣接する好立地と、水木さん夫妻の半生を描いたドラマの効果もあり、2010年には年間40万人を超える入館者数を記録。
常に、水木しげるロードの中心的な存在として多くの観光客を受け入れてきました。

しかし…

水木しげる記念館 庄司行男 館長
「東京、大阪、名古屋のファンの方々が、ロードに行きたいのに行けないっていうのはすごく残念だし、苦しかったと思いますね」

新型コロナの蔓延で観光客の客足は激減し、2021年の入館者数は最も多い時に比べ5分の1以下に。

水木しげるロードは一時、シャッター街となったこともありました。

水木しげるロードで長年愛され、水木さんとも親交のあった下駄専門店の店主は、
コロナ禍を振り返ります。

京久野履物店 京久野勝之 店主
「コロナの時は1か月くらい店を閉めた。だれ一人歩いてなかった」

下駄離れが進む中、鬼太郎が下駄を履いていたことでゲゲゲの鬼太郎デザインの商品を展開すると大ヒット。

水木先生に救われたと話す店主も、記念館リニューアルへの期待感を滲ませます。

京久野履物店 京久野勝之 店主
「コロナがやっとなくなって、ロードの客足が増えてきた。記念館もリニューアルになるので期待している」

ゲゲゲの鬼太郎のアニメにも登場し、3年ぶりに館長に就任した庄司行男さんは、リニューアルした記念館の成功を誓います。

水木しげる記念館 庄司行男 館長
「ゲゲゲの女房に、庄司さんなら大丈夫って言ってもらえて、これは涙が出るほど嬉しいかった。ぜひこの水木しげるという人間くさい素晴らしい漫画家をぜひ記念館で見ていただければなと」

待ちに待ったオープンは4月20日土曜日午前9時半です。

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