門脇麦、11歳当時の思考は「いま思えば哲学」 アンパンマンの歌詞が「刷り込まれたんですかね」

特別試写会舞台あいさつに登壇した門脇麦

台湾映画出演に感慨「いまだに実感が湧かないくらい夢のまた夢の話」

俳優の門脇麦が17日、都内で行われた台湾・日本合作映画『オールド・フォックス 11歳の選択』(6月14日公開)の特別試写会舞台あいさつに、メガホンをとったシャオ・ヤーチュエン監督とともに登壇した。

本作は、台湾ニューシネマの旗手・侯孝賢の最後のプロデュース作で、シャオ・ヤーチュエン監督最新作。台北郊外で倹約しながら父と2人で暮らし、いつか自分たちの家と店を手に入れたいと夢見ている11歳のリャオジエは、ある日、「生き抜くためには他人なんか関係ない」と言い放つ“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャと出会う。バブルでどんどん不動産の価格が高騰し、父子の夢が遠のいていくのを目の当たりにし、図らずも、人生の選択を迫られたリャオジエの成長を描く。

昨年の東京国際映画祭で同劇場でのワールドプレミアを経て、台湾で公開をした本作が、また同劇場に戻ってきた感想を聞かれた門脇は「シンプルにうれしいですね。日本でこうして公開できることが本当にうれしく思います」と笑顔を見せ、「10代の頃からずっと台湾の作品に触れてきて、台湾映画が大好きなので、いまだに自分が参加させていただいた実感が湧かないくらい夢のまた夢の話だったので、今作に参加できたことを改めてうれしく思います」と感慨深げに語った。

また、台湾映画初出演となった門脇は、オール台湾のスタッフ・キャストに囲まれて撮影することに不安はなかったか聞かれると「本当に幸せでしたね」と声を弾ませつつ、「中国語を勉強したのも2か月くらいですし、文法から勉強する時間はないのでセリフは丸覚えだったので、そういう不安はありましたし、相手のセリフまで覚えていないので、セリフを聞いて“止まったから次、私か?”って思いながらしゃべる瞬間もありました」と苦労を告白。

加えて、「自分の想像だけじゃ超えられなくても、役に1番大切なエッセンスを自分なりに抽出して、自分とリンクさせれば何かが伝わるというか、それが役者の仕事だと思っているので、不安は特になかったです」と吐露した。

さらに、本作の内容にちなみ、11歳の頃はどのように過ごしていたかと尋ねられた門脇は「いろんなことを考えていた11歳だったなと思いますね。いま思えば哲学だと思うんですけど、人生には何が大切なのかとか、なんのために生まれてきたのかとか、漠然とした疑問を自分で言語化したくていろんな本を読んだり、偉人の伝記を読み漁ったりしていた反面、早く授業終わらないかな、鬼ごっこしたいなって思っていた11歳でした」と回顧。

哲学的なことを考えるようになったきっかけについては「物心ついたときから考えていた気がしますね。なんのために生まれてきたのかなってアンパンマンの歌詞にもありますよね。それが刷り込まれたんですかね(笑)。あとは父が『人生は全部決まってるから、楽しく自由に一生懸命生きたらいいよ』って幼稚園の頃から言われてきたので、父の影響も絶対にあると思います」と語った。ENCOUNT編集部

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