【衆院補選 島根1区】自民候補第一声への出席、地元首長の対応分かれる 選挙区内5市町長は出席 県民党掲げる丸山知事は見送り

自民候補の第一声に駆けつけた島根1区内の首長ら。島根県の丸山達也知事は出席を見送った=松江市殿町、島根県庁

 細田博之前衆院議長の死去に伴う衆院島根1区補選が告示された16日、地元の首長の対応が分かれた。自民党新人候補の第一声に選挙区内の5市町長が出席する一方、島根県の丸山達也知事は見送った。

 自民公認の錦織功政候補(55)が松江市殿町の県庁前で行った第一声。選挙区内の9市町村のうち、松江市の上定昭仁市長、出雲市の飯塚俊之市長、安来市の田中武夫市長、雲南市の石飛厚志市長、奥出雲町の糸原保町長の5人が出席し、島根2区内の飯南町の塚原隆昭町長も姿を見せた。

 代表して登壇し、マイクを握った上定市長は「(錦織候補は)ふるさと島根に対して深い愛情を持ち、発展のために力を尽くす人物だ」と声を張り上げた。

 錦織候補は県市長会と県町村会から推薦を得ており、陣営によると、選挙区内の9市町村長と丸山知事に第一声への出席を依頼。隠岐4町村は合同の公務があり、欠席した。

 一方、丸山知事は12日の定例会見で「特定の候補は応援しない」との考えを示し、細田氏が立候補した2021年衆院選に続き、出席しなかった。16日は東京都内で農林水産省や国土交通省などを回った。

 丸山知事は「県民党」を掲げて19年の保守分裂となった知事選で初当選。再選した23年の知事選は自民、公明両党のほか、今回の補選で元職の亀井亜紀子候補(58)を擁立した立憲民主党や国民民主党、連合島根の支援を受けて立候補した経緯があり、支える自民県議の1人は「知事には立場がある」と理解を示す。

 立民、国民の最大の支援組織・連合島根は、松江、出雲、安来の3市長を市長選で推薦しており、事前に3市長から自民候補の第一声に出席する考えであるとの連絡を受けたという。その上で、街頭で自民候補の応援マイクを持つことは極力避け、組合の批判はしないことを求めており、連合島根の景山誠事務局長は「立場は分かる。要請には応えてほしい」と話した。

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