市の高さ引き下げ依頼に、マンション建設事業者「計画の変更難しい」 島根県松江市、大橋川沿い

松江大橋から見たマンション建設後の合成写真(松江市景観審議会の資料より)

 松江市東本町に建設予定のマンション(15階建て、高さ46メートル)について、市が高さを引き下げるよう求めたのに対し、事業者が「計画の変更は難しい」と回答したことを市が15日、明らかにした。

 市議会建設環境委員会(8人)とまちづくり対策特別委員会(8人)の合同委員会で市が説明した。

 市は業者の計画に対し、景観審議会で大橋川周辺の景観に配慮して建物の高さを隣接する旅館(高さ27メートル)を目安にすることなどを求める答申が出たことから、11日に業者に対して高さを引き下げるよう文書で申し入れたと説明した。

 業者からは同日に口頭で「法的ルールに従っており、財産性や収益から基本的に計画変更は難しい」と回答があったという。駐車場の色彩変更や植栽の増加などは対応する可能性があることも明らかにした。改めて文書で答えるという。

 委員からは予定地近くの大橋川北岸で堤防を高くする改修計画があることなどを踏まえ、「今後のまちづくりに影響しないようにしてほしい」と懸念の声が上がった。

 市まちづくり部の石本彰部長は住民説明や景観計画の改定を進めるとした上で「現時点で法的規制はなく、建設を止めることはできない」と説明した。

 市は25日までに求めている文書での回答を景観審議会に報告するとともに、対応を協議するとした。

© 山陰中央新報社