子供の遺体咥える犬の画像「今のガザ」は誤り バングラデシュの病院敷地

検証対象

※ぼかし加工は筆者による> 🧵① This・・・ 今のガザです、これは紛れもない事実です。 🙏🙏

(※画像付き投稿)

一般ユーザーのX投稿(2024年4月2日、約1200リポスト)

判定

判定の基準について

この画像は「今のガザ」ではなく、2024年1月頃のバングラデシュである。

ファクトチェック

検証対象の画像では、屋外で裸の子供の遺体らしきものを咥えて歩く犬が写っているほか、InstagramとTikTokのロゴとアカウント名、アラビア語で「殉教したガザの子供(طفل غزاوي شهيد)」という文字が見える。

バングラデシュの病院

しかし、これが「今のガザ」の光景だというのは正しくない。実際にはこれは2024年1月に既に投稿されていた画像で、場所はバングラデシュ・マイメンシン市のマイメンシン医科大学病院の敷地だ。

バングラデシュではこれを含む2枚の写真がSNS上で拡散され、病院に対する多くの批判を呼んだ。病院側はこの写真について2015年のものと主張していたが、2枚目に写る工事用のフェンスの存在から、地元メディアは撮影されたのは最近(1月)だと推測している(参照12)。

乳児と見られるこの子供の死因や、なぜ遺体が屋外で犬に咥えられているかなどの詳細は不明だ。

ガザで動物に荒らされる遺体

このバングラデシュの画像については、Misbar(アラビア語英語)、MalumatfuruşTeyitなどもファクトチェックを行っている【注意:リンク先に遺体の画像(ぼかし無し)があります。Teyitはページ表示前にぼかしの有無を選択可】。一方、いずれの記事も、最近のガザで実際に犬などの動物が遺体を荒らす様子が目撃されていることを合わせて指摘している。

しかしながら、検証対象の投稿は画像が「今のガザ」のものではないことから、「誤り」と判定する。

(大谷友也)

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