中国国際消費品博、無形文化遺産の要素を取り入れた製品が人気

中国国際消費品博、無形文化遺産の要素を取り入れた製品が人気

15日、中国国際消費品博で消費者から人気を集める「唐妞」関連製品。(海口=新華社記者/趙葉苹)

 【新華社海口4月17日】中国海南省海口市で開催中の第4回中国国際消費品博覧会は、無形文化遺産をベースとした文化クリエーティブ製品が数多く出展され、会場は中国的かつ文化的な雰囲気にあふれている。

 100年以上続く宝飾ブランド「老鳳祥」のブースでは、鳳凰が生き生きとデザインされた金の冠や精巧な嫁入り道具箱が展示され、多くの来場者が取り囲むようにしてカメラに収めた。ブース責任者の沈健(しん・けん)さんによると、消費者はこれまで西洋のシンプルなファッションを追い求めていたが、今は「中国風」が脚光を浴び精巧な金銀細工が喜ばれるようになった。同ブランドは優れたものづくりの技術を示すため、国家級無形文化遺産の「金銀細工制作技術」の看板も展示した。

中国国際消費品博、無形文化遺産の要素を取り入れた製品が人気

15日、展示ブースに並ぶ海南省伝統の黎錦技術によって生まれた文化クリエーティブ製品。(海口=新華社記者/趙葉苹)

 多くの省のブースが、無形文化遺産技術の展示や歴史ある国産品の伝承を出展の「目玉」に据える一方、「創意国潮」と呼ばれる中国の伝統的な文化要素を取り入れたクリエーティブ製品も文化消費の力強さを示した。海南省の「国貨潮品館」では伝統的な黎錦(リー族伝統の織物)や椰彫(ヤシの木や実の彫刻)、ラタン細工、黎陶(リー族伝統の陶器)、沈香よりも、無形文化遺産の技術を生かして創作されたアクセサリーやバッグなどが若い消費者の人気を集めた。

 黎錦の伝承者である符花梅(ふ・かばい)さんは「今は文化クリエーティブ製品が消費者を引き付ける強い力を持っている。伝統技術と現代の美意識が融合して革新を起こしてこそ、技術がこの先も長く存続していく」と感慨深そうに語った。

中国国際消費品博、無形文化遺産の要素を取り入れた製品が人気

15日、展示ブースに並ぶ伝統と現代の要素を融合した竹扇子。(海口=新華社記者/趙葉苹)

 浙江省杭州市の老舗扇子ブランド「王星記」の国家級製扇技術伝承者である孫亜青(そん・あせい)さんも、文化クリエーティブ製品の力を強く感じていると話す。同ブランドのブースには伝統的な竹扇子に特徴的なデザインの扇面を配し、材料や製造技術、機能性の面で革新的な製品が並ぶ。見た目が良く、遊び心があり、使いやすい新商品に多くの出展業者が注目した。

 デジタル時代に入り、博物館関連のIP(知的財産)がここ数年で成長し、消費市場で脚光を浴びている。今回の消費品博でも関連製品が人気の的となった。

 陝西省のアニメ・ゲーム制作会社、西安橋合動漫科技の創始者で漫画家の二喬(じきょう)さんが会場で作画を始めると、数分後に唐代の女性をイメージしたかわいらしいキャラクター「唐妞」が紙上に現れた。「唐妞」は二喬さんが生みの親となった陝西省歴史博物館のイメージキャラクター。今回の消費品博では多くの企業とコラボし、さまざまな文化クリエーティブ製品となって販売されている。北京市の故宮文化サービスセンターからライセンスを取得した国潮コスメブランドの毛戈平もIP製品の中から「気蘊東方」シリーズの第4季「宋韻」を出展した。ブーススタッフは同ブランドについて、故宮の文化財である宋代の書画や器物の要素をメークアップと融合させ、消費者に伝統的な要素と現代のトレンドとの出合いを感じさせると紹介した。(記者/陳凱姿、趙葉苹)

© 新華社