マカオで今年4人目の在郷軍人病感染者確認…患者は23歳の地元女性、潜伏期間中の渡航歴なし

科大医院(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

 マカオ政府衛生局(SSM)は4月17日夜、マカオで今年(2024年)4人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 患者は地元マカオ人の女性(23)で、4月11日から発熱と咳の症状が現れ、13日に私立のクリニックを受診したが、以降も症状が続いたため私立総合病院の科大醫院を受診し、胸部写真検査で左下肺に肺炎が認められ、尿検体検査でレジオネラ・ニューモフィラ抗原陽性となったことから、在郷軍人病と診断されるに至ったとのこと。患者の容体は落ち着いており、入院の必要はなく、すでに熱も下がっているとした。なお、患者は潜伏期間中の渡航歴がなく、同住の家族に類似の症状は出ていないという。

 SSMによれば、在郷軍人病はレジオネラ属菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられているとのこと。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ属菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。

 マカオで在郷軍人病の感染者が見つかるのは極めて稀なケースだが、今年は3月に1人、4月に3の感染確認があった(今回のケース以外はいずれも潜伏期間中の中国本土または香港滞在歴があり)。近年では2023年が1人、2022年が1人、2021年が3人、2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。

© 大航海時代新聞出版社有限公司