愛南で震度6弱 宇和島で震度5強

地震で壁面の一部が落下した新町商店街の店舗=18日午前0時半ごろ、八幡浜市新町2丁目(撮影・高田剣)

 17日午後11時14分ごろ、豊後水道を震源とする地震があり、松山地方気象台によると、愛媛県愛南町で震度6弱、宇和島市で震度5強など、南予の広い地域で震度5弱以上を観測した。津波の心配はない。県内で震度6弱以上を観測したのは初めて。県災害対策本部会議が18日午前0時半に開かれ、中村時広知事は「最優先すべきは人命。情報収集と対応を速やかに行えるよう準備を」と指示した。

 気象台は、揺れの強かった地域では、家屋倒壊や土砂災害の危険性が高まっており、今後も1週間ほどは同程度の地震への警戒が必要としている。

 気象台によると、震源の深さ約39キロ、マグニチュード(M)は6.6と推定される。愛媛では過去、2014年3月の伊予灘を震源とする地震(M6.2)の際、西予市で震度5強を観測。01年3月の芸予地震(M6.7)では、松山市や今治市などで震度5強となり、1人が死亡した。

 四国電力によると、伊方原発(伊方町)では1号機35ガル、2号機38ガル、運転中の3号機は33ガルの揺れを検知。運転を継続し、巡視点検を実施した。周辺のモニタリングポストに異常はないという。原子力規制庁の発表では、プラントやその他の施設に現時点で異常はない。

 宇和島市災害対策本部によると、18日午前1時現在、津島地域と旧宇和島市の複数箇所で水道管の損傷による漏水が発生している。

 県災害対策本部によると、内子町で石垣の倒壊、愛南町では落石被害、ブロック塀の破損が確認されている。現時点で大きな被害の情報は入っておらず、通報の増加も見られていない。

 西日本高速道路によると、18日午前1時現在、点検のため、松山自動車道伊予インターチェンジ(IC)―大洲IC、大洲北只IC―西予宇和ICが通行止めとなっている。

 JR松山駅によると、18日午前0時20分現在、予讃線菊間―浅海間で38人を乗せた下り特急が停止して異常の有無を点検中。伊予市大平先の犬寄トンネル付近では、11人を乗せた下り普通列車が停車したため、タクシーを向かわせている。その後安全が確認された普通列車2本が運行を再開した。17日午後11時25分着予定の列車は約40分遅れの18日午前0時6分に到着。3人の乗客が降車した。

 各地の震度は次の通り。

 震度6弱 愛南町▽震度5強 宇和島市▽震度5弱 大洲市、内子町、八幡浜市、西予市、鬼北町▽震度4 西条市、今治市、松山市、東温市、伊予市、松前町、砥部町、久万高原町、伊方町、松野町▽震度3 四国中央市、新居浜市、上島町

壁が一部崩れた宇和島市の中心商店街=17日午後11時55分ごろ、同市新町1丁目
地震情報の収集に追われる県職員=18日午前0時ごろ、県庁

© 株式会社愛媛新聞社